乱視の測定でミスらない3つのポイントは次の通りです。
・乱視の法則を知る
・乱視軸の重要性を知る
・最小錯乱円を知る
では一つずつ解説していきます。
ひとつ目
・乱視の法則を知る
こちらは以前も詳しく解説していますが、あらためて簡単に紹介します。
乱視は大きく分けて3つの特徴があり、直乱視(180度方向)タテに物が重なって見える倒乱視(90度方向)ヨコに物が重なって見える斜乱視(45度、135度方向)ナナメに物が重なって見える
これらの特徴に合わせた処方の目安は次のとおりです。
近視や遠視の特徴に合わせて乱視の法則に当てはめながら乱視の数値を考えます。
近視や遠視の数値を8割入れても「まだもっと見たい」という希望がある場合は乱視の法則に沿って目安ぶんの乱視を入れると、自然な見え方になりやすいです。
KBがある場合は、乱視数値を「2段階ずつ」を基準に変化させ、違和感があるなら1段階だけにする。
KBがない場合は法則の数値を基準に入れて、「もっと見たい」となれば1段階ずつ上げていく。
逆に「ちょっときつい」となれば1段階下げる。
といった感覚でOKです。
ふたつ目
・乱視軸の重要性を知る
乱視軸は、潜在的な乱視量が多いほど正確な軸度が効果を発揮します。
逆に乱視量が多い方の軸度をミスると、いくら度数だけ強めても効果が減ってしまいます。
どのくらい効果が変わるかと言うと、この表を見てください。
注目したいのは、
乱視量が3.00でている方の乱視軸が30度ずれることで、乱視量がそのまま残る、
つまりフルで入れても効果が得られないってことですね。
例えば5度ズレるだけで0.5、10度ズレれば1.00の数値が打ち消されて効果をなくしてしまいます。
乱視の数値が多くでている方には、特に軸度出しは繊細な測定が必要ですので、注意が必要ですね。
3つめ
・最小錯乱円を知る
最小錯乱円も別動画で解説はしてますが、
簡単に言えば近視や遠視、乱視がある人の1番よく見えるであろうポイントのことです。
よく「等価球面した数値の場所」とも言われますが、実際に装用する時の考え方は
完全矯正値と、装用度数の幅に注目します。
例えば、
完全矯正値がS-4.00 C-3.00 AX180で、
KB度数がS-3.00 C-1.00 AX180だったとします。
この時、球面の残余度数(あとどれだけいれてもOKな数値)が-1.00で、乱視が-2.00ですよね?
この残余度数をそれぞれ半分の数値にして、
今のKBに足した数値が最小錯乱円に1番近い度数になります。
なので、今回の場合だと、球面度数が-0.50乱視度数が-1.00をKBに足した
S-3.50 C-2.00 AX180がこの方の最小錯乱円に近い度数になります。
むずかしく考えるとわからなくなるので、「それぞれの残余度数を半分にして足すんだな」くらいでOKです。
最小錯乱円は「今よりもしっかり見たい」と言われた場合に目指すポイントとして覚えておくと、
装用度数を素早く決める判断の目安になるので覚えておくと便利です。
眼鏡測定で大切なのは、球面度数と乱視度数のバランスです。
乱視処方を考える時には、この3つのポイントを押さえておくと色んなパターンに対応しやすくなります。
基本的には球面度数が完全矯正値の9割になった段階で、
「まだ見やすくしたい」と希望があった時に「乱視の法則」を使い、
法則ぐらいの度数を入れても「まだ見たい」となったら、
乱視数値もより完全矯正値に近づけていく、といった考え方でOKです。
ちょっと例外的に、球面度数がほぼプレーンに近い数値の場合は、
球面度数は入れずに乱視だけ法則にしたがって入れると「楽に見えやすい」と言われることが多いです。
特に「普段は眼鏡をかけていない」といった方が来られた場合には、よく使う技なので、知っておいてくださいね。
正しい乱視軸を探しつつ、視力向上に効果的な軸度に適切な数値を入れることで
「自然で楽に見えやすい眼鏡」を提供できます。
とはいえ、KBの使用年数が長い場合は、変化することの「違和感」が勝ってしまうこともよくありますので、
お客さん自身が変化による違和感を超えるほどのメリットを希望したときには、
しっかりと合わせにいくといいかと思います。
ここの線引きがけっこう苦手な方も多いと思いますが、
僕は年齢と、装用した時のリアクションに注目して判断しています。
年齢は30代を超えたら「脳が変化に慣れにくくなっていく」ということを前提に考えます。
みなさんも、「年齢を重ねるごとに新しい変化に対応するのがしんどい!!」と思ったことがあるのではないでしょうか?
ですので、判断基準は30代を超えたら、より、リアクションに注意していきます。
変化させるメリットを感じられる方は、リアクションも明るい表情で言葉にも明るさが出ています。
逆にメリットを感じていない方は、どことなく不安な表情で、言葉にも力がない印象があります。
このあたりは経験というか、観察する力が必要な要素なので、
すぐには読み取れないかもしれませんが、「リアクションを観る」ということを普段から意識的にすることで、
微妙な違いがわかってきます。
ぜひ普段の測定時に「意識的な観察」をやってみてくださいね。
今回は「乱視測定でミスらないたった3つのポイント」を解説しました。
眼鏡の測定は突き詰めると奥が深いですが、
正直、ある一定の技術を超えたら
僕はこちらの自己満足的なところを抑えないといけないと思っています。
なぜなら、あくまで理論と数値を並べたところで、
「お客さんの望む本当の見え方」はお客さんにしかわかりません。
仮に要望通り「よく見える眼鏡の度数」を割り出しても
かけられない眼鏡なら意味もありませんからね。
なので僕はあくまでお客さんの主訴に寄り添いながら
提案できる測定員になろうといつも考えています。
例えるなら、伴走やコーチングに近いイメージでしょうか?
誰にでも同じ方法で処方するのではなく、
その方に合った「本当の主訴」を叶えられる測定を目指しています。
このチャンネルを見てくれている方はとても勉強熱心な方が多いと思いますので、
普通の何も考えていない測定員にはならないと思います。
これからもお客さんと向き合える測定員を目指して
一緒に頑張っていきましょう。