企業信用調査の評点は、どう見る?どう見られている?

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全く知らない企業で取引を始めるとなればどのような会社なのか調査が必要になることも多くある。いわゆる与信調査であるがその方法の一つとして有効なのは信用調査会社の企業情報だ。企業情報には、評点という点数がつけられている。まずはこの点数を見るだけで大まかな判断材料となる。調査会社により評価方法が多少異なるが評点は主に「経営者能力」「成長、安定性」「総合世評」を基にした点数である。100点を満点として評価され点数が低くなるほど取引に警戒をしなければならない。なかでも直近約5年間の数値に前向きな動きもなく赤字計上のまま推移、もちろん評点はこれ以下に下がることのない最低ランクの企業との取引は、まず避けた方がよい。

一般的に評点が最低ランクの企業は、一般的に取引先をはじめ外部からは、「経営者能力」「成長、安定性」において信用できないと評価されてしまう。それにより支払い関係や新規取引先の開拓、あらゆる営業部門に支障が生じるが、それを知らずに当たり前の顔をして行動する経営者、経営陣、管理職たちも多く見られるがそれは恥をさらして歩いていることにもなる。何故なら企業情報を入手している企業の多くは、評点最低ランクの原因は、その者たちであると見ているからである。だからこそ、自分たちの立場に早く気が付かなければならない。気が付いていれば経営改革や何かの改善活動が実施され翌年その結果が数字に現れるはずだ。将来性は、数字の推移が物語る。そして一刻も早く赤字脱却を図ろうと必死で動く企業の経営者、経営陣、管理職たちは、己の立場をわきまえて行動しているはずだ。そのような状況になれば、内容が事業概況に残され、大きな数値の変化がなくても評点のランクが上がる可能性もある。たとえ評点が最低ランクであったとしても企業情報を見る側としては見方が変わってくるであろう。

つまり、いくら評点が最低ランクの企業であったとしても数字の推移や経営者を筆頭とする社員一同の行動で将来性に信用が得られるケースもある。相手が手ごわい銀行だとしても将来性が見えるとなれば取引は可能になる。そのうえこのようなどん底から立ち上がる企業は、業績が急激に上がる可能性を秘めているので今後に大きく期待がもてる。だから企業情報を見る側としては評点だけで企業を判断すると後悔する恐れも大いにあるということだ。

では、或る企業情報について私なりの見解を説明してみたいと思う。
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図は、東京商工リサーチ企業情報から得た情報をもとにした。評点は、Z点。2014年から2018年まで多額の赤字が計上され債務超過額は増加する一方、売上額に変化も見られず改善、改革を行っている気配は見られない。資本の増資及び経営陣の引責辞任などの動きも見られずこの4年間は、融資などの資金調達の繰り返しで経営されていることが推測される。これでは経営本質そのものをを疑わなければならない。資金がショートし経営破綻の危険性は大いにある。だが、2019年からは多少の利益が確保されている。ここが判断基準の分岐点となるが評点はそのままであり事業概況にも変わったことは記載はない。翌年度も変わらぬようなら取引はやはり見送るべきだ。但し得た利益の要因を注視し、大きな改善改革で効果が得られたとするなら業績は大きく回復し評点が上がることに間違いはない。そうなると話しは別だ。出資の話なら更に前向きとなる。

落ちるところまで落ちてしまうとやることは這い上がることだけだ。そして這い上がるためのパワーは絶大なものとなる。そういった状況下におかれている者たちは何事にも強い。そう考えると最低ランクだからといって避けるのではなく最低ランクだから期待できるという考え方もあり得るということだ。それは企業の評点だけでなく色々な面でも同じことが言えるだろう
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