本日は日本にいながら米国債を購入する方法や、メリット・デメリットについて解説させて頂きます。
1、米国債とは
米国債とはアメリカ合衆国政府が発行する国債です。
アメリカ合衆国政府に対する信用のもと、
世界最大の売買量と発行残高を誇っており、
その債券価格や利回りは世界金融市場の指標にもなっています。
*2020年6月時点
債券の償還期限によって名称が異なり、以下のように呼ばれています。
Bills(ビル):償還期限1年以下の短期債
Notes(ノート):1年以上10年以下の中期債
Bonds(ボンド):10年超の長期債
また、米国債には一定期間ごとに利息が支払われる利付き債券の他に、
ストリップス債と呼ばれる債券があります。
ストリップス債は定期的な利息の支払いがない代わりに、
購入時の金額が利付債と比べて低いのが特徴です。
2、米国債のメリット
次に、米国債のメリットについて解説します。
・利回りが比較的高い
他の先進国の国債と比較すると、米国債は利回りが高いのが特徴です。
各国の10年債の利回りを比較したのが以下の表です。
国名 利回り
アメリカ合衆国 0.67%
日本 0.00%
ドイツ -0.42%
イギリス 0.2%
フランス 0.00%
オーストラリア 0.91%
*2020年6月時点
・信用格付けが比較的高い
国債の購入を検討する際には、利回り以外にも、発行体である国の信用力も見る必要があります。
信用力を見る指標の一つとして、信用格付け業者によるデータがありますが、米国はAA+の評価がされており、比較的信用格付けは高いと言えます。
以下は世界的な信用格付け業者であるS&Pが発表している各国の格付けリストです。(一部を引用)
国名 長期格付け
アメリカ合衆国 AA+
日本 A+
ドイツ AAA
イギリス AA
フランス AA
オーストラリア AAA
*2020年6月時点
国債には常にデフォルト(債務不履行)のリスクが存在します。
デフォルトが発生すると元本が毀損する可能性があります。
*米国債と言えど、デフォルトの可能性がゼロではないのでその点は注意が必要です。
・流動性が高い
米国債の市場規模は17兆ドル以上で、世界中の個人投資家および国家が米国債を保有しており、その流動性は高いといえます。
*2020年6月時点
流動性が高いということは、売りたい時に売却が可能で、
すぐに現金化しやすいというメリットがあります。
(資金が必要になった時にも対応ができます。)
米国債は高い流動性から、
海外投資家や外国政府などのドル資金の有力な受け皿としても活用されています。
(ウォーレンバフェット氏も株式市場のリスクが高いと判断したら短期的に株を売って米国債を買い資産保全しているというのは有名な話です)
3、米国債のデメリット
次に、米国債のデメリットについて解説します。
・為替変動リスクがある
外国債券のほとんどは外国為替に変動相場制を採用しており、米国債も同様です。
円から米国債を購入した場合、償還時あるいは途中売却時のドル価格によって、為替差益あるいは為替差損が生じます。
購入時より円安になれば利益が発生し、円高になると損失が発生します。
米国債に投資する際は、購入時の為替状況も事前に確認して置く事をお勧めします。
なお、多くの証券会社では外貨建MMFがあり、
外貨のまま資金を置いておくことができるので、償還時・売却時に必ずしも日本円にする必要はありません。
*外貨建MMF(マネー・マーケット・ファンド)とは、米ドルなどの外貨で運用する外貨建の投資信託です。外貨建MMFの投資対象は、安全性の高い優良企業の社債や国債などで、為替益と金利を狙った取引をすることが可能です。
4、米国債の購入方法
最後に、米国債の購入方法について解説します。
・米国債を証券会社から直接購入する
債券は新しく発行された債券である新発債と、
既に発行されている既発債の2種類があります。
このいずれかを証券会社から直接購入します。
新発債、既発債は常時募集がされているとは限らないので、
証券会社から直接購入する場合は事前にWebサイトを確認下さい。
ネット証券の場合、新発債は稀にしか募集がされておらず、
米国債に投資をするならば既発債になる可能性が高いです。
既発債を購入する際は、新発債と異なり、
同じ債券であったとしても証券会社によって債券価格が変わる場合があるので注意が必要です。
また、債券の購入単価や償還までの残存期間によって利回りが変動したり、
経過利子が発生したりすることもあります。
・米国債が含まれている投資信託・ETF(上場投資信託)を購入する
組み入れ銘柄に米国債が含まれている投資信託・ETFを購入することで、間接的に米国債を保有することができます。
ただ、これは「アムンディ・米国債ファンド」や「バンガード・米国トータル債券市場ETF」など外国の証券会社を通じて購入するものが多いので、少しハードルが上がります。
ゆえに、米国債の取り扱いがある国内の証券会社から購入するのが日本の投資家においては一般的かと思います。
・米国債の取り扱いがある国内証券会社
*いずれも額面1,000米ドルから注文可能です。
<SMBC日興証券>
SMBC日興証券では、2020年6月現在、米国債の新発債は取り扱っていません。
そのため、既発債のみとなります。
サイト内で購入額面、為替に応じた損益の概算シミュレーションなども出来るのでどれぐらいの金額を投資したらどれぐらいの損益になるか計算してみるのも面白いと思います。
<SBI証券>
SBI証券も、2020年6月現在、米国債の新発債は取り扱っていません。
一方で既発債はスプリット債を入れ23銘柄を取り扱っています。
<楽天証券>
楽天証券も、2020年6月現在、米国債の新発債は取り扱っていません。
一方で既発債は4銘柄を取り扱っています。
5、まとめ
米国債は利回り、信頼性、流動性が高いというメリットがある一方で、為替変動のリスクがあります。
さらに、日本の証券会社で扱っているのは既発債中心で、
既発債は新発債と違い債権価格が利率の変動により上下しています。
そして、現在は利率が下がっている局面なので既発債の価格は上がっています。
ゆえに、購入する際は利率や額面金額だけでなく、実際の購入金額や為替レートなども勘案して購入を検討する事をお勧めします。