AIで消えるエンジニアの仕事、消えない仕事|線引きは「作業と判断」にある

AIで消えるエンジニアの仕事、消えない仕事|線引きは「作業と判断」にある

記事
IT・テクノロジー
現役エンジニア × 国家資格キャリアコンサルタントの yoshi_career です。日系企業から外資系IT企業に移り、いまも現場でエンジニアとして働いています。福岡在住です。
「AIに仕事を奪われる」という話をよく見かけます。
ただ、現場で実際に起きているのは「奪われる」ではありません。作業と判断が分離した、という変化です。
この記事では、その線がどこに引かれているのかを整理します。

減っているのは「作業」であって、職種ではない


まず前提を1つ。「この職種は消える/残る」という切り分け自体が、現実に合っていません。
自動化が進んでいるのは、手順書どおりに実行する部分です。そして手順書どおりの部分は、ほぼすべての職種に含まれています。
つまり同じ職種の中に、消える部分と残る部分が同時にあるというのが実態です。
分かりやすいのが監視業務です。アラートの検知と一次通知は自動化できます。しかし「これは様子見でいいのか、止めるべきか」の判断は残ります。作業は減り、判断は残る。

減りにくい仕事の3条件


現場を見ていて、残っている仕事には共通点があります。
① 前提が毎回変わる
同じ入力で同じ答えにならない仕事です。障害対応、要件のすり合わせ、トラブルの原因究明。前提が毎回違うので、手順に落としきれません。
② 間違えたときのコストが高い
誰かが責任を持つ必要がある仕事です。技術的に自動化できるかどうかとは別に、「最後に誰が判断したか」を求められる領域があります。
③ 人と交渉する必要がある
社内調整、顧客への説明、優先順位の合意。ここは相手が人間である限り残ります。

3条件で職種を見直す


この3条件を当てはめると、見え方が変わります。
・ヘルプデスク:定型問い合わせは①を満たさない。ただしエスカレーション判断は残る・テスター:テスト実行は①を満たさない。テスト設計は満たす・運用監視:検知は①を満たさない。影響範囲の判断は満たす・開発:コード生成は進む。設計とレビューは②を満たす・SE:要件定義と調整は①③を満たす
職種で決まるのではなく、その職種の中でどこを担当しているかで決まります。

未経験から入るなら、どこを狙うか


「言われた通りに作る」だけの入り口は、確かに狭くなっています。
一方で、動かないものを動かす側(インフラ・運用・サポート)は、まだ人が足りていません。ここは入り口として現実的です。
ただし注意点があります。運用監視で止まると、①の条件を満たさないまま数年が過ぎます。入る場所より、2年後に何をやれるかで会社を選んでください。
判断材料は、面接での逆質問で引き出せます。「運用監視のメンバーが設計構築に移った実例はありますか」と聞けば、その会社の実態がかなり見えます。

結論:AIに強いかではなく、判断を任されているか


「AIを使える」は、もう差別化になりません。誰でも使えるからです。
差になるのは、どこまでAIに任せて、どこから自分が判断したかを説明できることです。
これは職務経歴書でも面接でも同じで、聞かれるのは「使ったかどうか」ではなく「どう線を引いたか」のほうです。


記事の内容について「自分の場合はどうか」を確認したい方へ。
応募書類については 「未経験からIT業界への応募書類を添削します」 で、箇所ごとのコメントと全体講評、修正後の再確認2回までをお受けしています。外資系への転職を考えている方は 「日系から外資ITへの初めての転職相談に乗ります」 でお話ししています。
※求人のご紹介や、企業へのご推薦は行っておりません(有料職業紹介の許可がないため)。ご相談・助言・キャリア設計・書類の方向性までが対応範囲です。
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す