AI時代に身につけるべきスキルとは|プロンプトの上手さは差になりません

AI時代に身につけるべきスキルとは|プロンプトの上手さは差になりません

記事
IT・テクノロジー
現役エンジニア × 国家資格キャリアコンサルタントの yoshi_career です。日系企業から外資系IT企業に移り、いまも現場でエンジニアとして働いています。福岡在住です。
「これから何を勉強しておけばいいですか」
キャリアのご相談で、いちばん多い質問です。そして最近は、こう続くことが増えました。
「やっぱりAIを使いこなせるようになったほうがいいですよね」
その気持ちはよく分かります。ただ、そこはあまり差がつかない場所だと思っています。

「AIを使えること」は、もうスキルではありません


少し前まで、プロンプトの書き方は差になりました。うまく指示を出せる人と出せない人で、返ってくるものの質が違いました。
いまはその差がかなり縮んでいます。モデルが賢くなったぶん、雑に聞いても、それなりの答えが返ってくるようになりました。
「使える」は前提条件になりました。 電卓が使えることが会計士のスキルではないのと同じで、それだけでは職業能力になりません。
では何が残るのか。3つあると考えています。

① 出てきたものを判定できること


AIは、間違っていても自信満々に答えます。
これは技術的な限界というより、そういう仕組みだからです。もっともらしい続きを出しているのであって、正しさを保証しているわけではありません。
だから最後に必要なのは、返ってきたものが正しいかどうかを判断できることです。
・この設定を入れたら、ほかのどこに影響するか・このコードは、どういう入力のときに壊れるか・そもそも、この前提は現場に合っているか
判定できない人がAIを使うと、間違いを高速に量産することになります。 実際、AIが書いたコードをそのまま入れて障害になった、という話は増えています。
そして皮肉なことに、判定するための力は、地道に手を動かした経験からしか身につきません。

② 問いを立てられること


AIは、聞かれたことには答えます。何を聞くべきかは教えてくれません。
現場でいちばん時間がかかるのは、実は答えを出す作業ではありません。「何が問題なのか」がはっきりしていない状態から、問題を定義するところです。
「システムが遅い」と言われたとき、何を測るか。「使いにくい」と言われたとき、どこを直すか。
ここを決めるのは人です。そして問いが間違っていれば、AIがどれだけ正確に答えても意味がありません。

③ 説明できること


これは前回の記事でも書きましたが、繰り返す価値があると思っています。
AIが書いたものを、自分の言葉で説明できるかどうかです。
・なぜこの方法を選んだのか・ほかの選択肢と比べて何が良かったのか・どこを変えると、どこが壊れるのか
説明できないものは、運用できません。動いているうちは問題になりませんが、壊れたときに手が出せなくなります。
面接でもここが見られます。成果物ではなく、その裏にある判断を聞かれます。

では、具体的に何を勉強するか


抽象的な話が続いたので、未経験からIT業界を目指す方向けに、具体で書きます。
基礎は変わっていませんネットワーク、OS、データベース。この3つは、AIが出てきても中身が変わっていません。むしろAIの答えを判定するための土台になるので、価値は上がったと考えています。
動かして壊す経験自分で環境を作って、動かして、壊して、直す。この往復でしか「壊れ方の勘」は身につきません。クラウドの無料枠でも十分できます。
説明する練習学んだことを、誰かに説明するつもりで書いてみる。ブログでも、メモでも構いません。説明できない箇所が、理解できていない箇所です。
AIは使ってよい。ただし答え合わせに使う自分で考えてからAIに聞くと、差分が学びになります。最初からAIに聞くと、その差分が生まれません。

逆に、優先度が下がったもの


文法や構文の暗記思い出せなくても、その場で調べれば済みます。
ポートフォリオの数AIで誰でも作れるので、数では差がつきません。1つでいいので、設計理由を語れるものを持つほうが強いです。
流行りのフレームワークの追いかけ数年で入れ替わります。基礎を持っていれば、その都度キャッチアップできます。
ご相談を受けていても、「何を勉強すればいいか分からない」という方ほど、新しいものに手を出しては続かなくなる、という状態になりやすいです。基礎を1つ決めて、動かしながら進めるほうが結果的に速いと思います。

結局のところ


AI時代に必要なスキルは、AIの周辺にあるスキルではなく、AIが出したものを扱うためのスキルだと考えています。
判定する、問いを立てる、説明する。
どれも新しいものではありません。もともと現場で評価されてきた能力が、そのまま残ったという整理のほうが近いと思います。
変わったのは、作業が速くなったぶん、これらの力がむき出しになったことです。以前は作業量でごまかせた部分が、ごまかせなくなりました。
厳しくなった面もありますが、裏を返せば、経験の浅い人でも、この3つを意識していれば早く追いつけるということでもあります。

まとめ


・「AIを使えること」は前提条件であって、もう差にならない・残るのは①判定できる ②問いを立てられる ③説明できるの3つ・基礎(ネットワーク・OS・データベース)の価値はむしろ上がった。AIの答えを判定する土台になるため・動かして壊す経験からしか、壊れ方の勘は身につかない・AIは答え合わせに使う。自分で考えてから聞くと差分が学びになる・優先度が下がったのは、暗記・ポートフォリオの数・流行りの追いかけ


疑問が残った箇所があれば、個別にご相談ください。
「未経験からIT業界への応募書類を添削します」 では、書類を箇所ごとにコメントし、全体講評と修正後の再確認2回までをお受けしています。「日系から外資ITへの初めての転職相談に乗ります」 では、外資系を目指す場合の進め方をお話ししています。
※求人のご紹介や、企業へのご推薦は行っておりません(有料職業紹介の許可がないため)。ご相談・助言・キャリア設計・書類の方向性までが対応範囲です。
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す