「頑張っているのになかなか成績が上がらないんです…。」
これは、体験授業のお申し込みの際によくいただくご相談の一つです。
毎日宿題もしている。勉強時間も確保している。
それなのに、思うように結果が出ない。
そんな状況が続くと、お子さん自身はもちろん、見守る保護者の方も不安やもどかしさを感じてしまいますよね。
でも実は、「頑張っているのに成績が上がらない」のには、いくつか共通する理由があります。
今回は、12年間多くの生徒さんと向き合ってきた中で特によく見られた、「頑張っているのに成績が上がらない理由TOP3」をお伝えしたいと思います。
時間のかけ方に課題がある
一番多いのは、おそらくこれです。
長時間勉強しているのになかなか成績が上がらない場合、「時間のかけ方」に課題があることが少なくありません。
前回の記事でもお伝えしましたが、勉強において最も価値があるのは、「わからない問題がわかるようになること」です。
すらすら解ける問題ばかりを繰り返し解いていませんか?
もちろん、復習や定着はとても大切です。しかし、それだけでは新しい知識や考え方は増えていきません。
反対に、わからない問題に出会ったとき、長時間悩み続けてしまう生徒さんも多くいます。
勉強では、まずは自分で考えてみることがとても重要です。すぐに答えを見るのではなく、一度立ち止まって考える習慣があるだけで、学習の質はぐっと高まります。
ただし、その時間が長すぎるのも考えものです。
問題が解けない理由は、大きく分けると2つあります。
1つ目は、「考え方が思いつかない場合」です。
この場合は、悩む価値があります。自分の中にある知識をどう組み合わせれば解けるのか、手を動かしながらじっくり考えてみましょう。
答えを見て理解した問題よりも、自力でたどり着いた問題の方が、深く記憶に残りやすいものです。
2つ目は、「必要な基礎知識が抜けていて解けない場合」です。
この場合は、いくら考えても答えにたどり着けないことがほとんどです。
公式を忘れてしまっていたり、どの単元の問題なのか分からなかったり……。
そんなときは潔く切り上げて、基礎の復習に戻る方が結果的には近道になります。
「10分考えても分からなかったら質問する」「一度解説を読んで基礎に戻る」など、自分なりのルールを決めておくのもおすすめです。
長く考えることが良い勉強とは限りません。
「今の自分は、考えれば解ける段階なのか。それとも基礎に戻るべき段階なのか。」
これを見極められるようになるだけでも、勉強の効率は大きく変わります。
取り組み方が「雑」
12年間講師として様々な生徒さんを見ていて思うのは、「学習の丁寧さ」と「成績の伸び」には相関があるということです。
どうせやるなら丁寧に。
これにつきます。
せっかく頑張って勉強をしても、納得できていないところをスルーしてしまったり、間違い直しが作業になってしまっていたりと、最後の詰めが甘いと、勉強の一番美味しいところを逃してしまいます。
例えば、丸つけだけして終わってしまう。解説を読んで「なんとなく分かった気」になって次へ進んでしまう。途中式を書かずに解いて、どこで間違えたのか分からないまま終わってしまう。こうした小さな積み重ねが、後々大きな差になります。
前回の記事にも書きましたが、勉強の本質は「分からないことを分かるようにすること」です。
問題を解いて、自分の「分からないこと」を見つける。そこからが本当の勉強のスタートです。
壁にぶつかったら一度立ち止まり、「なぜ間違えたのか」「どうすれば次は解けるのか」を考える。参考書や解説を読んだり、先生に質問をしたりして、「分かる」状態まで持っていく。この時間こそが、一番成績を伸ばしてくれる時間なんです。
ここを雑に済ませてしまうと、成績はなかなか上がりません。
逆に言えば、この部分を丁寧に取り組めるようになるだけで、勉強時間を増やさなくても成績が伸び始める生徒さんはたくさんいます。
取り組みむ問題のレベルが合っていない
「たくさん勉強しているのに成績が上がらない」という生徒さんの中には、今の自分に合っていないレベルの問題に取り組んでいるケースも少なくありません。
難しすぎる問題ばかりに挑戦していると、解説を読んでも理解できず、「分からない」の連続になってしまいます。その状態では勉強が苦痛になり、自信も失いやすくなります。
反対に、簡単すぎる問題ばかりを繰り返していても、新しく身につくことは少なく、成績はなかなか伸びません。
勉強で大切なのは、「少し頑張れば解けそう」というレベルの問題に取り組むことです。
私は生徒さんに宿題を出すときには「7割程度はすらすら解けそうなレベル、そして残りの3割は解けなくても解説を見ると理解できそうなレベル」の問題を出すようにしています。
すらすら解ける問題は、知識の定着や自信につながります。一方で、少し背伸びをする問題は、新しい知識や考え方を身につけるきっかけになります。
この2つのバランスが取れていると、「できること」を増やしながら、無理なく学力を伸ばしていくことができます。
分からない問題に出会い、自分で考え、それでも分からなければ解説を読んだり質問したりして理解する。この流れを繰り返すことで、少しずつ「できること」が増えていきます。
そのため、自分に合った教材や問題集を選ぶことも、勉強の大切な一部です。
「周りが使っているから」「有名だから」という理由ではなく、今の自分のレベルに合っているかどうかを基準に選ぶようにしましょう。
遠回りに見えても、自分に合ったレベルから一歩ずつ積み重ねることが、結果として一番早く成績を伸ばす近道になります。
また、塾で指定されている問題集にも注意が必要。塾教材は必ずしも今のお子さんにぴったり合っているとは限りません。
塾の教材は、多くの生徒さんが使うことを前提に作られているため、「少し難しめ」に設定されていることも少なくありません。上位層の生徒さんでも物足りなさを感じないようなレベルになっている教材も多くあります。
もし「難しすぎて全然進まない」「解説を読んでも理解できない」という状態であれば、基本問題に重点的に取り組んだり、自分で基礎固め用の問題集を用意して併用したりするのも一つの方法です。
「難しい問題にたくさん触れること」よりも、「今の自分が理解できる問題を一つずつ増やしていくこと」の方が、学力の伸びには大きく影響すると私は考えます。
勉強を頑張っているのに成績が上がらないと、「自分には才能がないのかもしれない」と落ち込んでしまうこともあるかもしれません。
でも、実際に12年間たくさんの生徒さんを見てきて感じるのは、成績が伸びない理由の多くは「能力」ではなく、「勉強のやり方」にあるということです。
勉強時間の使い方、問題への取り組み方、自分に合ったレベルの教材選び。この3つを見直すだけでも、学習の質は大きく変わります。
もちろん、効果的な勉強は決して楽ではありません。分からない問題と向き合い、考え、調べ、質問し、理解する。こういった作業は時間もかかるし、正直疲れます。
でも、その地道な積み重ねこそが、本当の学力になります。
この記事が、ご自身やお子さんの学習方法を見つめ直すきっかけになれば嬉しいです。