故西澤潤一氏の人生が語られています。世界が評価した西澤潤一氏でありますが、日本ではあまり評価されていないと思います。
この本を読めば、西澤潤一氏の研究成果である発明の歴史も確認できます。
「西澤潤一氏は日本の十大発明家に加えるべきである」と考えます。
また、間違った日本政府の大学・文教政策は改善すべきである。
文教政策で世界研究拠点が実現できる訳ではない。
(感想)
西澤潤一・人間道場は愛弟子である著者が西澤道場の実践記録をまとめたものである。研究開発成果である西澤先生の発明を確認すると、日本の十大発明家に入っていないのがおかしいと思った。西澤氏はあまりに突出していたので、IEEEエジソンメダルを受賞するときも、日本の研究者から批判があったようである。「虎の穴」西澤道場の精神は普遍の原理である。十大発明家の八木秀次博士に評価されてはじめて不遇の境遇を脱したことは知っていた。独創研究の実践内容が知れる本である。共同著作者により、後半の第2部は日本経済と大学の教育・研究に対する提言がまとめられている。世界で通用する研究成果を得るためには西澤道場の実践は参考になると思われる。お亡くなりになりましたが、日本の十大発明家を見直して十大発明家に入れてほしいものである。
現在の産業貢献に値する発明が称える価値があると考える。過去の発明家の研究を行ったところ、明治・大正・昭和の十大発明家は時代と共に変遷している。
(書籍紹介)
書名:「西澤潤一・人間道場 」(研究を経営するとは、どういうことか)
著者:鈴木 壯兵衛 、相沢 幸悦(共著)
ジャンル:教育・伝記
発行日:2024/09/18 水曜社発行 定価:1,980円(本体1,800円+税)
【内容説明】
工学界のレジェンド。半導体関連の特許保有件数は世界最多。孤高の独創者は、どのように弟子たちを育てたか。未だやられていない事でなければならない。天狗になるな、自分で自分を律せよ。きびしさはやさしさに裏付けされ、やさしさはただしさに裏付けされていなければならない。
半導体電子工学分野で独自の半導体デバイス、pinダイオード、静電誘導トランジスタ、pnipトランジスタなどを発明し、IT社会に欠かせない基礎技術を開発。先進的、かつ独創の熱意は国内学会の反発も招いたが、業績はむしろ海外で評価された。
「独創研究をする人間は、わが国の国民を幸せにするという使命がある」「日本全体が食うためには電子工業をやらなくてはならない」との信念のもと、産学連携の先駆となった異端の科学者は、いかに弟子たちを育てあげたのか。本書は「西澤道場」の直弟子の著者が、当時の研究指導方法を振り返り、補論ではわが国が技術立国として復権するための大学教育に欠かせない条件と道筋を提言する。
目次
第1部・本論 西澤潤一の研究と指導
第1章 「虎の穴」西澤道場
第2章 道場における実践
第3章 道場の研究経営戦略
第4章 道場の理念
第5章 研究と指導における愛
第2部・補論 日本経済と大学の教育・研究
第1章 日本経済の再興に向けて
第2章 経済の生命線―大学の基礎研究
第3章 経済学大学院DC 修了生の体験談
過去の歴史を無視した大学の統合は間違っていると思います。文部科学省の政策は、絵に描いた餅に等しい。そこにいる研究者たちの想いを無視した政策は、教育・研究の崩壊に向かっている。
日本の衰退の原因は、偏差値教育と定年制にあることははっきりしている。
世界トップレベルの研究者は、オリンピックで金メダルを受賞したことに等しいと思います。世界レベルの成果を上げた研究者に対しては生涯研究者の道を開くべきである。定年制は日本の将来成長の阻害要因である。
今の文部科学省の科学・技術政策では、異端異能の研究者は海外流出する恐れがある。西澤潤一氏も知識偏重の偏差値教育を否定していたが、理由は簡単である。教科書にも間違いがあるからである。
もともと、文部科学省の予算は少なかったところに、毎年大学への予算を削減されては日本の成長はあり得ない。地方創生にも地方の大学の役割は大きい。積極財政で大学の基礎研究にもっと予算を増やすべきである。
最後に、この本を読めば、西澤潤一氏を十大発明家に加えるべき理由が明らかになリます。