「生きることの苦しみから自由になるために」

「生きることの苦しみから自由になるために」

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コラム
生きることはときに辛く、苦しいものだ。人はその短い人生の中において、様々な苦悩や煩悶を抱え、悲喜こもごものうちに日々を過ごして行く。人間は不完全で、不器用な生き物であるが故に可愛いものなのであろう。

私も苦しみの多い人生を送って来た。死の淵に立ったことも一度や二度ではないし、いつでも死ぬ覚悟で生きて来た。思えば、私の人生はそういった苦しみによって形成された人生と言っても差し支えないのかもしれない。

何故、人はこんなにも苦しみと悲しみの多い人生を送らねばならないのだろうか?私は予てからそのことを理不尽且つ、矛盾の多いものと思って生きて来た。仏教においては「四苦八苦」というものが言われており、また「一切皆苦」ということも併せて語られている。

人生においては全てが苦であり、私たちが輪廻のループの中にいる以上はその苦しみから逃れる術はない。そういった苦から逃れるには輪廻の枠の中から解脱し、悟りの境地に達しなければならない、というのが仏教の考え方である。

確かにこの世界は苦しみに満ちている。貧富の格差、病気、差別、人間関係、仕事、恋愛…。この世界においては全てのことが苦しみだという考え方は大いに理解できる。

では、私たちはこの苦しみに満ちた混沌の世界を、どうやって生きて行ったらいいのだろうか。その答えは、おそらくは自らの外側にはない。私たちが目にしている世界は自らの内面の世界に対する投影であり、全ては自分の内面を見詰めることから始まる。要するに、「己を知る」ことで様々な人生における諸問題への対処法についての基本的な土台や、人間の生そのものに対する深い理解といったものが醸成され、しっかりとした自己が形成されるということだ。

艱難辛苦が待ち受ける人生というフィールドを探索して行くにあたって、このような確固たる自己の形成というものが最も重要なことである。人それぞれに苦しみのカテゴリーやタイプ、それぞれが意味するところの範疇は違っても、人が抱える悩みはほとんど、全ての人間に共通している。自分という宇宙の中に、真の世界を見出せるはどうかは、私たちの自己への理解というもの次第なのである。




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