気になっていた本「子供の虫歯予防は食生活が全て〜4人の子供に歯を磨かせなかった歯科医の話〜」読了しました。

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コラム
 なかなか衝撃的なタイトルで、何年か前の通勤電車の中の広告で見かけた本ですが、「まあ砂糖とか添加物とかが虫歯の原因だとかそういう話なんだろうな。しかし歯科医が子供に歯を磨かせないってすごいな。どういう話なんだろう」と気になっていましたが、当時特に虫歯もなく、結局読まずにいました。

 しかしながら歯の問題は人生100年を過ごす上ではとても大切です。歳をとって歯がなくなり、美味しいものも食べられなければどんなに悲しいでしょうか。某雑誌の調査では、歳をとって最も後悔したことのランキング上位に、「歯をもっとケアすべきだった」、というものがありました。自分自身と子供達のためにもいつかは読んでおいた方がいいでだろうなあと考えていて、先日歯科検診があったことから思い出して、近所の図書館で見つけて借りて読みました。

 我が家の2人の子供は虫歯はなかったのですが、噛み合わせが要注意で、もう少し高学年になって歯が生えそろったら、その時の状況で矯正歯が必要か判断しましょう、と言われています。歯科矯正はお金もかかるし、なるべくなら避けたいところです。私は顎が広く発達していて、歯並びは全く問題ないので、どうしたものかという感じです。妻も歯並びはいいです。

 さて本は3部構成になっていて、初めに子供に歯を磨かせなかった黒澤歯科医の体験が中心に書かれています。氏は歯科医を開業するうちに、歯磨きよりも食品、食生活の影響が大きいこを実感し、自身の4人の子供である意味での実験をしたのでした。虫歯のできやすい食品を特定し、子供に一切歯を磨かなくても良いとしたのです。もちろん定期的に検査し、虫歯ができていたら即実験を中止するという、歯科医ならではの実験でした。結局子供たちは15歳まで虫歯ができなかったとのことです。高校生になると自分で買い食いするようになったため虫歯ができたとのことでした。
 さて虫歯ができないのはどんな食生活かというと、予想通り近年発達した工業製品(小麦粉や砂糖、添加物、油など)による虫歯の弊害が述べられていました。同時に、歯並びなどの悪化についても近代以降の工業製品が出てきてから、世代を繰り返すごとにどんどん悪くなっていくことが述べられていました。遺伝子や顎の発達に影響があるとまでは書かれていませんでしたが(人体実験するわけにもいかないので、ネズミで同様の試験がされています)、関連はあるんだ、という強い意志が感じられました。

 私も妻も田舎の生まれで、伝統食で育ってはいるものの、ちょうど甘いお菓子が出回た世代でもあります。時折食べられる甘いおかしがとても楽しみだったのを覚えています。その影響で子供たちに歯科矯正の懸念が出てきているのであれば、とても辛いことですね。パッとみた感じではあまり必要なさそうなので、これからあまり甘い菓子類や清涼飲料水などは飲まさないようにしていかなければ、と思いました。なんとか顎が成長し切るまでは、工業食品を避けるようにしていきたいと思います。

 この本の良いところは、構成の最後で、工業食品や甘いお菓子を何でもかんでもダメ、とせず、たまには食べて良いとしているところです。子供たちもおやつが大好きですし、付き合いもあり、菓子類を全く食べずに生活を送ることはかなり難しいです。誕生日にはケーキぐらい食べたいです。本ではハレの日とケの日をもうけて、しっかり分ければ良いとしています。歯磨きも必要ないわけではなく、食事終了効果や歯垢が止まり続ける効果を抑制でき、将来の習慣づけにもなるため、もちろんやっていいとしています。これなら十分実行できますね。

 たまには食べても良いというのは私自身がダイエットで「チートデー(たまには思いっきり食べても良いとする日)」をもうけているのと同じですね。チートデーなくずっと我慢し続けると、継続できなくなりますし、反動が怖いところです。この辺りも人間の習性をよく考慮した、無理のない方法になっています。

 虫歯の原因に関するメカニズムや将来の懸念などに関する知識が深まったので、とても良い本でした。本の中にあることは実行できていることが多く、現在虫歯はありませんが、今後も引き続き注意深く工業食品を避け、甘い菓子類はたまに、もっと頻度を減らして、しっかり歯をケアしていきたいと思っています。

#虫歯 #矯正


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