傷ついてきた人ほど、人の優しさに涙できる
子どもの頃の私は、自分には何の取り柄もないと思い込み誰かと比べては自分の価値を低く見積もっていました。誰にも必要とされない。誰にも見つけてもらえない。そんな寂しさを、ずっと心の奥に抱えていたように思います。本当はただ、誰かと心を通わせたかった。「大丈夫だよ」「あなたのままでいいよ」そう言ってほしかったのかもしれません。大人になってから心理学の世界では、愛着障害やアダルトチルドレンという言葉があることを知りました。もちろん、私の中にそういう側面はあったと思います。でも、人の苦しみはたったひとつの言葉や診断名だけで「はい、そうです」と整理できるほど単純なものではありません。むしろ、名前をつけられること、余計に孤独や悲しみを感じてしまうこともありました。だけど今は、少し違います。大人になって、心から信頼できる人や「仲間」と呼べる存在に出会いました。そこで初めて知ったのです。人と心が通じ合うことの温かさを。安心して笑えることの幸せを。自分の存在を、そのまま受け入れてもらえることの尊さを。もしかすると、幼い頃に当たり前にもらえなかったからこそ私はその温もりを、誰よりも深く感じられるのかもしれません。傷つきやすいこと。人との関係に不安を感じること。それは、弱さだけではないと思っています。それだけ人とのつながりを求め愛を大切にしてきた証なのかもしれません。深く傷ついた人ほど誰かの優しさに涙できる。愛情に飢えた経験がある人ほど人の温かさを、深く受け取ることができる。私は、そう思っています。
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