【基礎編/目からウロコ】小論文の「よい文章」とは?
(1)「よい文章」とは何か 小論文というと、巧い文章、美文、達文を書かなければならない。そう思っている受験生が多いかと思います。実は、大学入試の小論文は美文、上手な文章を書かなければいけないというわけではありません。もちろん、巧い文章を書くのに越したことはないでしょう。しかし、一部の難関私大の文学部(慶應義塾大学文学部)や芸術系の大学(日本大学芸術学部)ではない限り、巧い文章を書かなければ合格できないというわけでは決してありません。 なにしろ、みなさんは小説家や脚本家などの文章のプロをめざすわけではないのですから。 巧い文章を無理して書かなくてもいいけれども、入試で「よい文章」を書かなければ高い評価点をもらえることは難しく、合格に結び付くことも厳しいかと思います。 それでは、「よい文章」とはどんな文章でしょうか。 それは、書き手の「言いたいこと」が読者にうまく伝わる文章です。表現が不十分で、何を言いたいのかが曖昧(あいまい)であったり、いろいろな意味に取れたりして、誤解を招くような文章は「よい文章」とはいえません。 受験生の主張が余すところなく十分に読者(採点者)に伝わり、その主張が論理的な説得力を持ち、なおかつ独自な視点をもっていれば、大学の門に限りなく近づくことができるというものです。 つまり、「よい文章」とは「わかりやすい文章」のことなのです。(2)「わかりやすい文章」とは それでは「よい文章」=「わかりやすい文章」とは、どんな文章でしょうか。 「わかりやすい文章」を考える前に、わかりにくい文章、いわゆる悪文について見ていきましょう。以下の悪文の例を示します。<悪文の例1
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