治療家だった私が身体 だけでは救えないと悟った 理由
11万5,000人の身体に触れて気づいた、「体だけ整えても救えない」という残酷な真実
これまで私は、20年もの間に柔道整復師として11万5,000人以上の方々の人生と向き合い続けてきました。
1日に60人を施術することもありましたし、わずか数分の限られた時間の中で判断を行い、施術の方針を頭で組み立て、頭痛や目眩、特異的な症状の改善をはかってきたのです。
治療院は、明るく清潔感という見た目だけでは本当に把握しづらいような、
舞台裏のように綺麗事だけでは済まない負の感情と思考が空間を飛び交い、人の剥き出しの本音が澱(よど)のように渦巻いていました。腰に激痛を堪えて仕事へ向かう人。
家庭に居場所がなく、静かに気力を失っていく人。
愛する人に傷つけられ、精神がボロボロになりながら自分を責める人。
誰にも言えない孤独を抱えながら、仮面の笑顔で震えている人。
そんな方々の身体と魂の叫びに毎日、触れ続けてきました。
全身を総括的に見て骨格を正し、筋肉を緩め、頭蓋や内臓を整える。
QOL向上のアドバイスやセルフケアも個々にあわせ提案する。確かに、それだけで痛みから解放され、笑顔を取り戻す方も大勢いらっしゃいました。
ですが、圧倒的な数の臨床を重ねる中で、私の内側にある違和感が芽生え始めます。
「身体だけでは、説明がつかない」
その感覚は、施術を重ねる度に無視できないほど大きくなっていきました。
例えば、愛を失い深く傷ついた人の胃腸は、まるで石のように硬く自律神経を締め付ける。
職場で人格を否定され続けた人の身体は、常に「攻撃」に備えて硬直し、呼吸の仕方を忘れてしまっている。
虐待やいじめの記憶
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