#247 「カビか農薬と思っていた」人も…ブドウの表面を覆う「白い粉」の正体は?
「ブドウ」には、果実の表面に白っぽい粉のようなものが付いていることがあります。この「白い粉」の正体について、管理栄養士に聞いてみました。「表面が白いと不安」の声も毎年7月ごろから店頭に並び始める「ブドウ」は、果実の表面が白っぽくなっているものを見かけることがあります。この「白い粉のようなもの」が付いているブドウは「おいしい」とされ、「いつも、白っぽくなっているものを選ぶ」という声がある一方で、「カビか農薬だと思って必死に洗っていた」「正直ちょっと不安」「風味への影響はないの?」など、安全性や風味を疑問視する声もあるようです。 ブドウの表面に付いていることのある「白い粉」の“正体”とは何なのでしょうか。管理栄養士の岸百合恵さんに聞きました。よく熟した“食べ頃の印”Q.ブドウの表面にみられることがある「白い粉のようなもの」の正体とは。岸さん「『ブルーム』と呼ばれる、果実に含まれる脂質から作られた天然のろう物質が表面に出てきたものです。果粉(かふん)とも呼ばれ、ブドウ以外ではリンゴ、キュウリ、スイカ、プラム、ブルーベリー、ブロッコリーなどにも現れます」Q.なぜ、ブルームが出てくるのですか。岸さん「植物の表面には、『クチクラ』という、植物自体の脂質から作られた皮膜があります。クチクラの英語読みは『キューティクル』で、生物の体表を覆う丈夫な膜のことをいいます。クチクラは、雨や朝露などの水分をはじいて細菌の繁殖や病気を予防したり、水分の蒸発を防いで新鮮さを保ったりする働きがあります。また、これにより、温度や湿度など環境の変化にも対応できるようになっています。クチクラは『クチン』という成分で
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