【落ち着いて自分を知ろう 認知の歪み⑥】
メンタルヘルス不調の人が悪循環に陥る
ネガティブな思考の癖にアプローチする
認知再構成法とは、過度にネガティブな
気分・感情や不適応的行動と結びついた
認知(自動的な思考やイメージ)を同定
して様々な視点からその認知を検討する
ことによって代わりとなる新たな認知を
自分で再構成するための技法なのである。
認知の構造としては、ある特定の場面に
おいて、瞬間的にオートマチックに頭に
浮かぶ考えやイメージ(自動思考)には、
妥当なものと「妥当でないもの、或いは、
部分的にしか妥当ではないもの(否定的
自動思考=認知の歪み)」があるもので、
この「認知の歪み」について話をしたい。
第6回目の今日は、「拡大視・過小視」。
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この「拡大視・過小視」とは、自分自身、
他者、状況を評価する際、否定的側面を
不合理に重視し、肯定的側面を不合理に
軽視するもので、このことにより既存の
情報が歪曲され、誤認が発生するという。
鬱病や躁病では、その瞬間の感情により
拡大視が現れて、感情が鎮まると収まる
傾向にあることから、出来事や思考から
距離をおき、反応する前に考える時間を
取ることで感情を鎮められる、とされる。
例えば、酒に酔っている時や夜中の気が
高ぶっている時に考えるようなこと等は、
日を改めて落ち着いた状態で考え直す方
が賢明である。鬱病や躁病は勿論のこと、
健常な状態にある人でも、酒や夜の帳に
身をまかせ、悪いこと・お気に召さない
ことばかりを過大に見過ぎ、いいことを
見逃し、愚痴っ
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