「正解のキャリア」に乗れなかった人へ タクシー運転手が事務職を抜いた朝、AI時代の歩き方を考えた
布団の中でスマホを開いたのが、間違いだった。
朝日新聞の見出しが目に入る。タクシー運転手やとび職の年収が、この5年で伸びている。職種によっては事務職を抜いた。背景は人手不足。
「ふーん」と、スクロールする指が止まる。
リクルートワークス研究所の古屋星斗さんがこう言っている。「商社に入ればずっと高収入」みたいな決まりきった給料の順番は、少しずつ崩れていく。これからは市場の需要を見て、仕事を柔軟に変えていく時代だ、と。
コーヒーをいれる気力が、抜けた。
「柔軟に動け」って、言うのは簡単なんだよなあ。
動けない人がいる。怠けているからじゃない。動こうとした先で何度か折れて、求人サイトを開いてもスクロールするだけで疲れる、みたいな日が続いている人がいる。スキルがない、年齢が、ブランクが、と頭の中で言い訳が並びはじめると、もう布団から出られなくなる。
私は障害福祉の仕事をしていたことがある。その前もその後も、いろんな職場を渡り歩いた。「正解」と呼ばれるキャリアの上にいた記憶は、たぶん一度もない。商社がどうとか外資がどうとか、ずっと別世界の話として読んできた。
でも、今朝の記事を読んで、思ったのは別のことだった。
「正解のキャリア」が崩れるということは、「正解のコースに乗らなかった人」と「コースに乗っていた人」の差が、ゆっくり消えていくということでもある。
「自分はあのコースに乗れなかった」とずっと引きずってきた人は、そろそろ忘れてもいい時代になってきたのかもしれない。
——と、ここで終われれば気持ちのいい朝だった。
二度寝しようとしたところで、記事の後半に目が引っかかった。
古屋さんはこ
0