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「It’s a long way to go.」移民局の列で知った、自分の居場所の重み

アメリカの大学に在学していた頃、私は一度、冷や汗をかいたことがあります。I-20(留学生資格証明書)に大学側のサインをもらうのを、うっかり忘れたまま一時帰国してしまったのです。再入国時、空港で告げられたのは「仮の入国許可」でした。当時は、30日の猶予期間内に、必要書類を整え、管轄のイミグレーションセンターへ提出しなければならないということでした。大学でサインをもらい、ダウンタウンにある移民局へ向かいました。建物に入って、まず目に飛び込んできたのは、長蛇の列でした。老若男女、年齢も人種もばらばの人たちが、黙って順番を待っています。どこか張りつめた空気が、フロア全体に漂っていました。私も、その列に加わりました。見たところ、メキシコ系と思われる人が多いようです。ただ、それは見た目の印象にすぎず、正確なことは分かりません。けれど一つだけ、はっきりと感じたことがあります。ここに並んでいる人たちが背負っている事情は、「書類の不備を直しに来ただけ」の自分とは、重さがまったく違う、ということです。そう思った瞬間、頭の中で、別の連想が始まりました。カリフォルニアは、もともとメキシコの領土でした。正確には、スペイン領を経てメキシコ領となり、19世紀半ばの米墨戦争の結果、アメリカに組み込まれた土地です。そして、その流れの前段に、アメリカ側の記憶として残る事件があります。1836年、テキサス革命の最中に起きた「アラモの戦い」です。実際の軍事的な規模以上に、アラモは“象徴”になりました。「Remember the Alamo(アラモを忘れるな)」というスローガンが、人々の結束を生み、物語をつくり、次の時
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