ベンダーは「敵」でも「下請け」でもない。無理を聞いてもらうための「信頼貯金」の作り方
見積書の「金額」だけで判断していませんか?新しいシステムを導入するとき、多くの経営者や担当者が真っ先に見るのは「見積書の右下の数字」です。少しでも安く、少しでも高スペックに。その気持ちは痛いほどよく分かります。しかし、20年以上現場でシステムを守り続けてきた私が学んだのは、「本当に大切なのは、トラブルが起きたときに彼らがどれだけ必死に動いてくれるか」という、数字には表れない部分でした。「持ちつ持たれつ」が最強のリスクヘッジになるかつての私は、ベンダーに対して「こちらが客なのだから、言う通りにするのが当たり前」という態度を取っていた時期もありました。しかし、それでは本当の意味で自社を守ることはできません。例えば、無理な値引きを強引に勝ち取ったとしても、その後のサポートが後回しにされたり、重要な提案が届かなくなったりしては本末転倒です。私は戦略を変えました。ベンダーが作業しやすい環境(正確な要件定義やデータの準備)を整える彼らの繁忙期や事情を考慮したスケジュール調整を行うこうした小さな「貸し」を積み重ねていく。これを私は「信頼貯金」と呼んでいました。この貯金があるからこそ、新店オープン時の回線トラブルや、制度変更に伴う急なシステム修正といった「いざという時の無理」を、彼らは快く引き受けてくれるようになるのです。経営層とベンダーを繋ぐ「翻訳者」としての役割社内SEの重要な仕事の一つに、ベンダーとのコスト交渉があります。これらを成功させるためには、単に「安くしろ」と迫るのではなく、相手のメリットも提示しながら、論理的に交渉を進める必要があります。ベンダー側の難しい技術論を、経営層が納得
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