崖っぷちの事業を救った「本質」の再定義
私の最初のクライアントは、ある街の電気屋さんでした。先代から引き継いだ店を守り、ご両親を支えながら、必死に踏ん張っていた彼。 しかし、時代の波(量販店や通販)には抗えず、周囲の同業者は次々と廃業。 売上は下がり、顧客も高齢化し、自分の年齢も上がっていく。 「店を畳むべきか、でもローンも親の生活もある……」 彼はまさに、出口の見えないジレンマの真っ只中にいました。私はそんな彼に、こう提案したんです。「よくある社名と住所だけの名刺、もうやめませんか?」サービスの本質は「修理」ではなく「安心」だった彼の活動をじっくり聞いていくと、あることに気づきました。 彼は単に家電を直しているだけではなかったんです。* 遠く離れたお子さんに代わって、ご高齢の方の様子を見に行く。* 最近姿を見ないおばあちゃんの家へ、「最近どう?」と顔を出しに行く。そこには、地元の方々との深く、温かい信頼関係がありました。 「仕方ないよ」と笑いながらも、彼が提供していたのは「家電の修理」という作業ではなく、「地域の見守り」という安心感そのものだったんです。名刺を変えたら、ビジネスの「種」が生まれたそこで私は、彼を「電気屋」ではなく「地域の見守り隊」として定義し、その想いを名刺に設計しました。実は、名刺を新しくした後、彼に起きた一番の大きな変化。 それは「自分の名刺を、自分からどんどん手渡すようになったこと」でした。以前の彼は、名刺を持ってはいても、積極的に差し出すことはほとんどありませんでした。名刺を渡すことに意味を感じられず、「名刺=連絡先を渡すだけ」といった感じでした。でも、自分の本質を「地域の見守り隊」として再
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