なぜ「あの本だけ」が売れていくのか──知ってしまうともう戻れない“出版の裏側”
■あなたもこう感じたことはありませんか?
「いい本を書けば、勝手に売れていくんでしょ?」
「出版社が流通に乗せたら、あとは自然と読者が買ってくれるはずだ」
――もし、そんなふうに思っているなら、今日の記事は衝撃になるかもしれません。
私は出版社に30年以上身を置き、編集・制作だけでなく“売る現場”にも深く関わってきました。
そしてある日、講談社時代の先輩(販売部の責任者を長く務めた方)から、こんな言葉を聞かされました。
「今はね、10年前の“2倍の販売促進”をして、ようやく昔と同じ部数に届くんだよ」
その瞬間、私はハッとしました。
「売る努力の絶対量」が、時代と共にここまで変わってしまったのかと。
■本は“出しただけでは”絶対に売れない理由
出版社が本を発売日に全国に配送し、書店に並べる。
このプロセスそのものは昔と変わりません。
しかし、読者の行動が変わりました。
SNSで大量の情報が流れてくる
Kindle Unlimitedで無料の選択肢が増えた
YouTubeやTikTokが読書時間を奪う
つまり、書店で「偶然出会ってもらう」のが、以前より圧倒的に難しくなったのです。
だからこそ今は、
“本を知ってもらうための努力”が売上の大半を決める
という時代にシフトしています。
■私が販売部と一緒に走り続けた日々
主婦の友社にいた頃、私は“編集者”でありながら“営業の一員”でもありました。
書店回りをし、POPを書き、販促企画を提案し、イベントの段取りまで行う。
販売部のメンバーからは、
「三宅川さんは、編集なのに“売る側”の人間でもある」
とまで言われていました。
その経験から
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