どうせ私は素晴らしい、という言葉の話
数年前、私はあるワークショップに参加しました。そこで引いたカードに書いてあった言葉が、「どうせ私は素晴らしい」でした。帰り道、声に出してもいいし、心の中でもいいから、この言葉を言いながら帰ってください、と言われました。「どうせ私は素晴らしい」何度も、何度も。最初は正直、しっくりきたわけではありません。でも、言い続けることで、少しずつこの言葉が自分の中に染みていく、そんなふうに言われたんです。そのカードを、私は名札の裏に入れて、お守りのようにずっと持ち歩いていました。ある日、カウンセリングの中で、ずっと泣いている患者さんがいました。その方の前で、私は名札の裏からそのカードを取り出しました。「どうせ私は素晴らしいんだよ」そんな話を、静かにしました。そして、その瞬間、このカードを“貸してあげよう”と思ったんです。「今日、これをあなたにお渡しします。時々これを見て、『どうせ私は素晴らしい』って思ってみてください」そのカードは、私にとっても大切なものでした。正直、返ってくると思っていました。でも、その後、カードの話題は出ないまま、半年ほどが過ぎました。ある日、勇気を出して聞いてみました。「あのカード、どうなってる?」するとその方は、「息子と一緒に時々見ています」そう言ってくれました。「どうせ私は素晴らしいって、一緒に見てます」その言葉を聞いたとき、あぁ、よかったな、と思いました。カードは私の手元には戻ってこなかったけれど、あの人の手元にあるなら、それでいい。その時、心からそう思えたんです。その後も私は、いろんな患者さんとお話しする中で、この言葉を時々、口にしていました。「どうせ私は素晴ら
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