どうせ私は素晴らしい、という言葉の話

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コラム
数年前、私はあるワークショップに参加しました。
そこで引いたカードに書いてあった言葉が、
どうせ私は素晴らしい」でした。

帰り道、
声に出してもいいし、心の中でもいいから、
この言葉を言いながら帰ってください、と言われました。

「どうせ私は素晴らしい」
何度も、何度も。

最初は正直、しっくりきたわけではありません。
でも、言い続けることで、
少しずつこの言葉が自分の中に染みていく、
そんなふうに言われたんです。

そのカードを、私は名札の裏に入れて、
お守りのようにずっと持ち歩いていました。

ある日、
カウンセリングの中で、ずっと泣いている患者さんがいました。

その方の前で、
私は名札の裏からそのカードを取り出しました。

「どうせ私は素晴らしいんだよ」

そんな話を、静かにしました。

そして、その瞬間、
このカードを“貸してあげよう”と思ったんです。

「今日、これをあなたにお渡しします。
時々これを見て、
『どうせ私は素晴らしい』って思ってみてください」

そのカードは、私にとっても大切なものでした。
正直、返ってくると思っていました。

でも、その後、カードの話題は出ないまま、
半年ほどが過ぎました。

ある日、勇気を出して聞いてみました。

「あのカード、どうなってる?」

するとその方は、
「息子と一緒に時々見ています」
そう言ってくれました。

「どうせ私は素晴らしいって、
一緒に見てます」

その言葉を聞いたとき、
あぁ、よかったな、と思いました。

カードは私の手元には戻ってこなかったけれど、
あの人の手元にあるなら、それでいい。
その時、心からそう思えたんです。

その後も私は、
いろんな患者さんとお話しする中で、
この言葉を時々、口にしていました。

「どうせ私は素晴らしい」
「どうせ、あなたは素晴らしい」

スマートフォンの中には、
「どうせあなたは素晴らしい」
そう書いたメッセージカードの画像を入れていました。

ある日、また泣いている患者さんに、
その画面をそっと見せました。

「どうせあなたは素晴らしいよ。
何があっても。
いいことがあっても、悪いことがあってもね」

その方は、その画面を写真に撮って帰られました。

そして一週間後。

「先生、これどうぞ」

そう言って、その方が手渡してくれたのは、
手作りのメッセージカードでした。

そこに書いてあった言葉は、
「どうせあなたは素晴らしい」

やさしい絵と一緒に。
DSC_0349.JPG


その瞬間、私は思いました。

あぁ、
私が渡した言葉が、
ちゃんと巡って、戻ってきたんだなって。

心のつながり。
言葉のつながり。
そして、やさしい循環。

「どうせ私は素晴らしい」

この言葉は、
私の手から離れても、
誰かの心に残り、
また次の誰かへ渡っていく。

この言葉は、
今も誰かの心の中を、
静かに旅している気がしています。


もし今、
誰かと静かに言葉を交わしたい気持ちがあれば、
文章でやりとりするチャット相談もご用意しています。

話すのが苦手でも、
泣いてしまっても、
まとまっていなくても大丈夫です。


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