【城間勝行】リモートワークの不思議な住人たち
この時期になると、僕がいつも思うことがあります。それは「リモートワークの環境は、まるで小さな宇宙みたいだ」ということです。僕の仕事部屋は、Web会議の背景に映らないよう、最低限のスペースしか片付いていません。その隅々には、日々の生活を彩る「不思議な住人たち」がいます。例えば、コーヒーを淹れるたびに香りが部屋中に広がる、あの小さなドリッパー。考えごとに行き詰まった時に、無意識に触っている手のひらサイズの「ストレスボール」。そして、何よりも重要なのが、常に僕の作業を見守ってくれている「キーボードのホコリ」です。冗談に聞こえるかもしれませんが、このキーボードのホコリには、僕の仕事の軌跡が詰まっているんです。忙しい時期は、ホコリがほとんど付いていません。それは、僕が一日中、高速でキーボードを叩き続けている証拠。新しいコードを書き、バグと格闘し、修正を繰り返す。そのたびに、キーボードは熱を帯び、ホコリが付着する暇もありません。逆に、設計や要件定義といった「考える」フェーズに入ると、キーボードにうっすらとホコリが溜まり始めます。これは、僕が手を止めて、頭の中だけで作業している時間が増えたことを示しています。以前、ある大規模な業務システムのプロジェクトで、設計作業に集中していた時の話です。数千人が利用するシステムだったので、要件定義から設計まで、とにかく考えることが膨大でした。僕は、ひたすらドキュメントと向き合い、頭の中でシステムの全体像を組み立てていきました。その間、キーボードにはどんどんホコリが溜まっていきます。僕は、そのホコリを見るたびに、「ああ、今、僕は“考える”ことに集中しているん
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