絞り込み条件を変更する
検索条件を絞り込む

すべてのカテゴリ

1 件中 1 - 1 件表示
カバー画像

論文執筆における受動態と能動態の使い分け ―― “we”は使ってはいけないのか?

「論文は受動態で書くべきである」と教わった経験のある方は多いのではないでしょうか。実際に論文を投稿した際、査読者や編集者から「“we”を避け、受動態で表現すべき」と指摘されたという声も耳にします。確かに、そのような指導が一般的だった時期もありました。しかし、現在では論文における文体の選択は、以前ほど一律ではなくなってきています。今回は、学術論文における受動態・能動態の歴史的背景と現在の傾向、そして適切な使い分けについてご紹介します。歴史的には「受動態推奨」の時代があった学術論文において、“I”や“we”といった一人称を避け、受動態で記述するというスタイルが定着したのは、20世紀中頃のことです。1920年代ごろまでは、研究者自身を主語にした能動態表現(たとえば“We measured…”など)も一般的でした。しかし、その後「科学的文章は客観的であるべき」という考えが強まり、「主語を前面に出さず、受動態で淡々と記述する」ことが推奨されるようになりました。多くのスタイルガイドや出版マニュアルもそれに倣い、受動態での記述を“正しい書き方”と位置付けるようになったのです。現在は能動態回帰の流れにところが1990年代以降、論文数が爆発的に増加するなかで、「読みやすさ」や「明快な主張」がより重視されるようになりました。その流れを受けて、能動態の使用を認める、あるいはむしろ推奨するジャーナルが増えてきています。たとえば、**『Nature』や『American Journal of Botany』**などの主要学術誌では、能動態の使用が明確に奨励されています。加えて、学術的なライティング指南書
0
1 件中 1 - 1