「最後に心から笑ったのはいつ?」と聞かれて答えられなかった人へ
ある日、自分が笑っていないことに気づく最後に心から笑ったのは、いつだろう。この質問に即答できる人は、たぶんこの記事を読んでいないかもしれない。即答できなかった人——ようこそ。あなたは1人じゃない。Aさん(30代後半・ある都市部で事務の仕事を長年続けている男性)は、ある日曜日の夕方、ソファに座ってぼんやりとスマートフォンを眺めていた。SNSのタイムラインを何度もスクロールしているのに、何も面白くない。テレビをつけてもつまらない。かといって、何かをする気力もない。「あれ、俺って最近、笑ってなくない?」ふと、そう思った。考えてみると、仕事に行って、帰って、ご飯を食べて、寝る。休日は疲れを取るために寝る。友人と会うこともめっきり減った。趣味……趣味ってなんだっけ? 昔は何をして楽しんでいたんだっけ?この感覚——生活から「楽しさ」が消えている感覚——は、決して珍しいものではない。忙しさに追われ、責任が増え、日々のルーティンに埋もれているうちに、いつの間にか笑いや楽しさが生活から蒸発してしまう。深刻な病気というほどではないが、何か大事なものが欠けている感じ。味気ない、という表現がぴったりくる。こうした状態に対して、世の中のアドバイスは大きく2つだ。「新しい趣味を始めましょう」と「旅行に行きましょう」。しかし、趣味を始める気力がないから困っているのだし、旅行は一時的な気分転換にしかならないことが多い。ここで、心理学が提示するまったく違う視点がある。それは「新しいことを始める」のではなく、「今あるものの見方を変える」というアプローチだ。第1章:笑いが消えるメカニズム人間には「目的志向状態」と「
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