えんぴつ部隊と特攻隊
3月27日は妻の大叔父、今野勝郎さんの命日です。昭和20年3月27日、特攻隊員・今野勝郎さんは、沖縄県慶良間列島沖で米駆逐艦に体当たりし、壮絶な戦死を遂げました。彼が所属していた「武克隊」は、特攻出撃の前、長野県の浅間温泉に滞在し、慰安と飛行機の整備を行っていました。当時、浅間温泉には、戦火を避けるために東京・世田谷から疎開してきた少年少女たちがいました。戦時中の厳しい環境の中でも、彼らは純粋な心を持ち、やがて特攻隊員たちと心を通わせるようになります。今野勝郎さんをはじめとする武克隊の若き兵士たちは、戦争という過酷な運命に向き合いながらも、束の間の時間の中で疎開児童たちと交流し、笑顔を交わし、時にはえんぴつを使って絵を描いたり、日々の思いをつづったりしました。この交流は、のちに「特攻隊とえんぴつ部隊」という絵本として描かれ、多くの人々に知られることとなります。また、数年前には「奇跡体験!アンビリーバボー」というテレビ番組でも取り上げられ、全国に放映されました。浅間温泉で過ごした日々は、特攻隊員たちにとっても、疎開していた少年少女たちにとっても、忘れがたい思い出として心に刻まれました。戦争という時代の中で交わされた、ひとときの温かな交流。その記憶は、今も語り継がれ、平和の尊さを私たちに伝え続けています。勝郎さんは、「にっこり笑って死んでいきますよ。あとの日本を頼みます。」という一文を彼らに宛てて、特攻に赴いて行きます。
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