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「芸術と人間の創造性」慶應義塾大学文学部2023年

(1)問題 次の文章を読み、設問に答えなさい。 ① 近ごろ、豊かな自然のなかで作品展示が行われる芸術祭が各地で開催されているようだ。そこで主催者がしばしば耳にする言葉は「あれも作品ですか?」らしい。地元のオッちゃんから「これが作品なら、あれだってアートだ」などと、本漏れ日のなかキラメいて揺れる蜘蛛の巣を指さされることもあるという。想像しただけでも美しいではないか。筆者など「そのとおりだ」と素直にうなずいてしまうことだろう。そういう目をもってすれば、なんだってそれらしく見える。こうしたイヴェントに参加すると、それまで当前のように思っていた自分の感覚に戸惑いを覚える。むしろ、そんな美意識の攪乱(かくらん)を自ら楽しむこと自体が、その目的ではあるのだろう。そういえば勤める大学のキャンパスの一角にガレキが積み上げられているのを美術学部の作品発表かと勘違いしてじっと見ていたことがある。「先生、それ本当に廃葉物です」とやってきた学生にいわれても半信半疑だった。立ち入りを規制するロープにさえも、なにかメッセージが込められているかに思えていたからだ。芸大などという場所は、そもそもが世間から隔絶された異空間だ。深読みすればそのへんに転がっているゴミだって作品に見えてくる。あらゆるモノや事象が芸術となる可能性をもった時代をわたしたちが生きていることに間違いはなさそうだ。 ② 音楽についていえば、この世を満たす音響現象はすべて芸術たりうる。それはかのジョン・ケージ(一九一二~一九九二)作曲「4分33秒」(一九五二年)を聴けば(?)一目(聴)瞭然だ。楽譜に音符は書かれていない。奏者はただ楽器の前に
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