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「マイノリティと社会の多様性」広島市立大学国際学部2018年

 (1)問題 ① セクシュアルマイノリティ(性的少数者,性的マイノリティ)について学問する,ということの意義をきちんと確認しておくことはとても重要です。学問という言葉が敷居を高くするなら,「知識を増やし,それらを常にさまざまな観点から吟味し続けていくこと」と言い換えてもよいかもしれません。ここでは,差別に対する知識の観点からのアプローチの重要性,差別をどう考えるかについての知の蓄積の有効性,性の知的な探求そのものの魅力という観点から,この意義を説明します。 ② セクシュアルマイノリティとは,社会の想定する「普通」からはじき出されてしまう性のあり方を生きる人々のことです。少し硬い表現ですが,研究者は「非規範的」な性を生きる人々,という表現を使ったりもします。「規範(norm)」から派生した言葉が「普通(normal)」ですから,確かに「非規範的」=「普通でない(とされる)」と言い換えられます(筆者の私が普通でないと考えているのではなく,社会が普通でないと考えていることがわかるよう,「普通」とカギ括弧つきで表記しています)。 ③ したがって,セクシュアルマイノリティとは「普通」の性を生きろという圧力によって傷つく人々,と言い換えることができます。「普通」であることを押しつけられ望まぬ生き方を強いられたり,あるいは「普通」でないことをもってからかいや排除の対象となる人々と言ってもよいでしょう。(a)このような「普通」という暴力を, 差別と言い換えることもできます。 ④ そして残念なことに,2017年現在,日本(あるいは世界)におけるセクシュアルマイノリティに対する差別は依然と
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「グローバル経済と食文化」広島市立大学国際学部後期

(1)問題次の文章をよく読んで,あとにある問題に答えなさい。 ① 近代以前の世界における巨大文明を類型化したときには,中国文明圏,インド文明圏,西アジアから北アフリカにかけてのイスラム文明圏,ヨーロッパ文明圏……といったふうに,それぞれの文明のひろがりは一定の地域的な分布をもつものとして語ることが可能なものであった。世界は個性的性格をそなえたいくつかの文明圏のブロックに分割されていたのである。だが,産業革命を起爆剤としてまず北西ヨーロッパに成立し,欧米勢力の世界進出とともにひろまっていった近代の文明というものは,さらに強力な普遍性をそなえたものであった。それは,従来の巨大文明の地域的分布の枠組を越えて,世界のすべての文化をおおうものとして作用している。② 現代の世界において文明は,(a)西欧文明とか欧米文明といった起源地を付す名称で語ることが無意味となっており,世界文明とでもよばなくてはならないものとなっている。③ たとえば服装を例にとって考えてみよう。着ることは,なにごとかを語ることでもある。単に身体を保護するために人間は着るのではない。(b)着ることによって自己を表現しているのだ。そこで,服装というものは,その人の所属する文化を識別する手段でもあった。東南アジアの山岳部や,サブサハラ(注1)のように,多数の民族が入りみだれて分布する地域においては,人びとは相手の服装を見て,その者が何族の人間であるかをあてることができる。さらに細かく観察すれば,着ている人間の社会的地位まで推定することができよう。④ 伝統的民族衣装を脱ぎ捨てて,洋服を採用することは,欧米文明を採用することの
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