教養としての日本儒教⑥:蘭学・洋学
蘭学:江戸時代にオランダを通じて日本に入ってきたヨーロッパの学問・文化・技術の総称。幕末の開国以後は世界各国と外交関係を築いたため、「洋学」の名称が一般的になりました。蘭学者の先駆的存在としては西川如見がおり、著書に長崎で見聞したアジアなどの海外事情を通商関係の観点から記述した『華夷通商考』があり、ヨーロッパの天文学にも深い関心を寄せています。さらに8代将軍徳川吉宗は洋書の禁を緩め、青木昆陽と野呂元丈に蘭語習得を命じており、青木はオランダ語の辞書や入門書を残し、野呂は図鑑の抄訳を著していますが、この2人は共に「蘭学の先駆者」と呼ばれ、後に書かれた杉田玄白の『蘭学事始』においても2人の功績が記されています。杉田玄白:江戸中期の蘭学者・蘭方医、『蘭学事始』(らんがくことはじめ)。前野良沢(まえのりょうたく)らとドイツ人クルムスの解剖医学書のオランダ語訳『ターヘル・アナトミア』の正確さに驚き、これを翻訳して『解体新書』を刊行し、日本の蘭学発展に多大な影響を及ぼしました。晩年には翻訳のいきさつや苦労を『蘭学事始』にまとめています。三浦梅園:『玄語』。天文学に関心を持ち、遊学先の長崎で西洋の自然科学的知識を積極的に受容しました。懐疑的態度から世界のあり方を問い、気や理などの朱子学の用語を用いて自然に備わった「条理」を探求し、条理学を構築しました。
条理:天と地、陰と陽、動物と植物というように、あらゆる存在は対立する概念を持ち、1つに全体はその対立する2つの部分から成り立つという筋道。
反観合一(はんかんごういつ):分かれた2つの部分の統合として全体を捉える方法。
帆足万里(ほあしばんり)
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