インタビューには、相手とその人生へのリスペクトが重要、と学んだ話。

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コラム
オリジナルのプロフィールブックと、大切な 人へ気持ちを伝えるメッセージギフトの作成 サービスの提供を始めたんですが、この形を思いついたのは、以前の経験が元になっているんだなぁ、と自分でも改めて驚いています。 


どちらのサービスも、クライアントさんをイ ンタビューして、その人が持っているものを聞き出したり、気持ちを拾って作り上げる、というスタイルなんですが、無意識に、以前自分がインタビューを受けた経験を、脳内で混ぜ合わせるうちに出てきたことなんだなぁと。 

私の場合、このインタビューを受けた経験は、 非常に後味が悪く、正直良い思い出ではないので、反面教師にする意味も込めて振り返り、書いてみようと思います。 

どういう経緯で辿り着いたのかは忘れたので すが、数年前、いろいろなバックグランドを持つ方達が集まる、面白そうな飲み会があると知り、参加しました。 

その会の主催をされていた男性はライターさんで、その時は人数が多かったこともあり、他の参加者の皆さん同様、軽い話をした程度で、会はお開きになりました。 

後日、私の話を聞いて記事にさせてもらいたい、というインタビュー依頼があり、軽い気持ちでお会いして、数時間お話をしました。 

40代未婚女性という立場で、自身の恋愛や結婚観について、自由に語って欲しい、というような内容で、本当にただの雑談のように、これまでの経験や感じたことなどを語りました。 

下書きが出来上がったので、と送られてきた原稿を見てビックリ。何というか、その記事の中で語るその女性は、恋愛も結婚も上手くいかず、不平不満タラタラの、まさに負け犬、というような印象で、自分が持っているセル 
フイメージとは、かけ離れた人物像でした。

恋愛中心の軽い人生で、藁をもすがる思いで 結婚したいのだができない。 “婚活奮戦記"もしくは"結婚できない女の末路"という印象で、想定していた内容と、信じられない程隔たりが大きくなっていました。 

同情や共感を渇望している当人の気持ちとは裏腹に、読者が、「だからモテないんだよ」 「そんな性格してたら、上手くいくわけがない」と嘲笑いたくなるだろうな、と感じる文章で、私には、悪意が感じられる…としか思えず。

考えてみれば、その方が書いている連載記事は、そういう残念なケースも扱っていて、確かに哀れな婚活失敗記事が多かったなぁと思うのですが、どういう方向で仕上げるのか、という説明もなく、もしかしたらただの参考程度の聞き取りかもしれないし、と軽い気持ちで受けてしまった部分がありました。 

頭が回らなかった自分を情けなく思ったのと同時に、もしかしたら、私が、その“残念なケース”だと感じた、これまでに書かれた記事の登場人物の女性達も、「えっ、私って、こんなに情けない!?」と違和感を覚えながらも、インタビューを承諾し、ご飯もご馳走になったし…と掲載を了承したのかも、とも思いました。 

これでは、ノンフィクションのはずが、変換されて半ばフィクションなんじゃ…と思えて、恐くなりました。また、これまでの経験を面白おかしく話はしたものの、"自分なりに前向きに、失敗も取り込んで心豊かに生きていきたい”という肝心な部分が、伝わっていなかったことに愕然としました。 

婚活応援が趣旨の記事だと勝手に思っていたので、こんなイメージを植え付けるのはどうなのか、と思いましたが、やはりその悲惨さを謳った方が、読者の興味関心を惹き、数が取れるのかもなぁ、とも想像しました。潜在的な期待に応えているという意味では、正しいのか…などなど、いろいろ考えさせられました。 

せっかく、手間も時間もかけて完成した文章 がお蔵入りになることを考えると申し訳なく思いましたが、例え匿名であっても、記事の中の自分が全く自分でない以上、プライドにかけてこれは看過できないと思い、掲載見送りを依頼しました。 

インタビューという形で人に話を聞いてもらうって、面白い!という経験にはなったので、インプットされていたその情報が、数年後の今出てきて、自分の創作の一部に取り入れられたんだなぁ、と感慨深く思ったのと同時に、その人の人生を軽々しく扱うことは絶対に止めよう、と誓いました。
苦々しい思い出ではありますが、人生やはり何がどう繋がるか分からないなぁ、と改めて思います。 

何もしなければ貯まりませんが、失敗も、一 つの経験として自分の中にきちんと貯まる。残りの人生もそういう気持ちで臨み、攻めの人生を歩みたいなぁと思っています。 
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