親との別れについて。看取りについて考えさせられた本。グリーフを軽減したい。

記事
コラム
随分前に友人から、彼女の母親ががんで闘病 中だと聞いて、心を痛めていました。 

近況を聞く度に、小康状態、悪くなっている、を繰り返し。とうとう余命宣告をされたと聞きました。 

40代になり、そうか、親がいつまでも健康で、今と同じように支えてくれる訳じゃないんだ…、そもそも今その状態であるということは、私はかなり幸運なんだ…という思いが、脳内に薄っすらと滞在するようにはなっていましたが、彼女の置かれている状況が進んでいくのを追っていくことで、よりリアルに感じる機会を与えられています。 

うつ病闘病中に父親を亡くし、それまでの父親との関係を後悔したんですが、それを考えると尚更、看取る時のことを考えて今行動することって必要だな、と思うようになりました。

私は、精神面で母との繋がりが強いので、亡 くした時の不安から、グリーフケアについて関心があり、この記事の出来事にも繋がったのですが、グリーフ(喪失感)を軽減するために、後々の後悔を減らしたいと思いました。
ということで、手に取ったのが、“親とさよならする前に 親が生きているうちに話しておきたい64のこと”でした。

他にも、大切な人を亡くした時の悲しみを綴ったエッセイ集などもありましたが、気持ちに寄り添いつつも、分かりやすく、しっかりノウハウを詰め込んであるなと感じ、手元に置いています。

著者の方は、自身の祖母を成年後見人として 介護、父親の看取りを経験された方で、その戸惑いや亡くした後の喪失感と向き合った経験を通して、予めどういう準備が必要かを、カテゴリに分けて具体的に記していらっしゃいます。 

医師や弁護士監修で、その時に起こりがちな 問題も含めて、丁寧に書かれています。特に私が勉強になったのは、 

・一緒に旅行する

食後に歯を磨いているか?下着や服を替えて いるか?など親の様子を確認し、異変や健康状態が把握できる、と読んで、離れて住んでいると、会うのは短時間だし、確かに分からないなぁ、と考えさせられました。 

また、この本の中で一番響いたのは、この項 目の中の、大切な人にとっての希望や栄養は、ものではなく“思い出”です、という部分でした。 

体が不自由になり、食べられなくなった時、確かに思い出が、痛みを減らしたり、幸せな気持ちにしてくれたりするなぁと。その思い出は、看取る側の私達の助けにもなるなぁと。 

ココナラで提供を始めたHEART HUGも、こ の気づきを形にしたものです。
・健康診断の結果、お薬手帳、病歴などの把握 

雑談で親の健康についての話は出るものの、それらをきちんと把握しているか?と考えたら、頭を抱えました。 

自分にとって親はいつまでも親で、“自分がみてもらう側”という意識が、抜けていない部分が大いにあるなと感じます。 

・親の入れ歯を洗ってみる

いざ介護となった時に、自分がどこまでの対応をできるか?の見極めとして勧められていました。私は嗅覚も敏感で、苦手な匂いを嗅ぐと途端に具合が悪くなる、という体質がありますし、精神面でもどこまで引き受けられるか、人それぞれだなぁと思います。

できないことを人に任せるという判断が遅れることで、こちらがうつ状態になったりして共倒れにもなりかねないな、と考えさせられました。 

・介護施設の事前見学について

どういう施設を見学するか?また、見学の際に、どういうポイントを観察してくるべきか?など、本当に具体的に書かれていて、なるほどなぁ、と思いました。

私が父を亡くした時はうつ病闘病中で、母と 兄が中心になって、手術や治療、葬儀について全て済ませてくれたので、自分の療養に専念できたのですが、見ているだけでも大きな心労が伝わってきました。

何がベストかなんて分からない決断を、次から次へと迫られ、初めて聞く言葉が飛び交い、いろいろなところから問合せがあり、呼び出しがかかる。決断のタイムリミットに押され常に焦るし、人に聞きづらいこともある…。 

余裕なく、バタバタで済ませてしまった感が残ると、最後にゆっくり故人に向き合ったか?という疑問が湧いてきて、その人を失った悲しさの上に、伸しかかってくるんじゃないか?と思います。

私は繊細な方なので、平均の人よりもダメージを大きく受けることは間違いないと想像しています。

どのみち何らかの思い残しはあるにせよ、ここに書かれていることを意識してチェックしておくようにし、少しでもグリーフを軽減したいな、かつ大切な人との残りの時間を、大切にしたいなと思っています。


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