先週末、葉山に行ってきました。
正直に言うと、その日はあまり気乗りがしませんでした。とはいえ、体力維持のために週一で通うと自分で決めていたことなので、行くには行ってみました。
カヤックのフル装備で、まずは海の様子を見に行ったのですが、実際にビーチから海を見ると波が高く、海には出られませんでした。それなら近くの川で、と見に行ったものの、満潮で波が入り込み、水も濁っていて、こちらも断念。
じゃあせめてGoProで波の様子だけでも撮影しようと思ったら、なぜか充電が空。モバイルバッテリーがあるから大丈夫、と思ったら今度はケーブルを忘れていました。結局 iPhone でなんとか撮影しましたが、海に落とすのが心配であまり多くは撮れませんでした。
計画していたことが、ひとつも思い通りにいきません。
そのあと浜辺を散歩しながら、波打ち際の岩に腰掛けて足を浸していたら、岩の角がボロッと欠けてしまいました。その瞬間、なんだかとても悪いことをした気持ちになりました。何万年もかけてできた岩を、自分が壊してしまった、と。
こういう日、ありますよね。思い通りにいかないことが重なって、最後にちょっとした後ろめたさまでおまけについてくる日。そういう時、人はどうしてもその日全体を「ダメな一日」として片付けてしまいがちです。
でも今日は、その「ダメ」の捉え方について少し書いてみたいと思います。
ネガティブ→ポジティブ変換
コーチングでは、こういつ時にはまず「ネガティブ→ポジティブ変換」してみては、と提案することがあります。
ある方の例をご紹介します。TOEICのスコアを上げたいという目標でコーチングを受け始めた方の例(※)です。理想は1日に3〜4時間の学習でしたが、実際にできたのは30分だけ。セッションの中で、その方はこうおっしゃいました。
「30分しかできませんでした」
この言葉を、コーチングでは見逃しません。
まず最初にやったのは、とてもシンプルなことです。「30分しかできなかった」を「30分できた」に言い換える。ただ言葉をポジティブに変えただけですが、それだけでその30分の重みが少し変わって見えてきます。
そして、ここでもう一歩踏み込みます。「できた・できなかった」という良い悪いのジャッジそのものを、一旦外してみるのです。これは実験なんだ、と捉え直します。
「今日はこの条件で30分できた。じゃあ次は条件を変えて試してみよう」
失敗ではありません。良い、悪いとは無縁の一つのデータなのです。
もし2、3日はできたけど次の日からできなかった、だったら「三日は続けられた」と捉える。「決心を口にすると、できなかった時に落ち込む。だから決心してる、と言いづらい」というのは確かにあると思います。でもこれも、できなかった時には「別の工夫を試せるチャンス」とも言えます。
これは常にコーチがついていなくてもできることです。コーチが聞いてくれるのを待たなくていい。自分で自分に、同じ問いを投げればいいだけです。
岩の話に戻ると
この方法は、冒頭の岩の話にもそのまま当てはまります。
その岩はもともとずっと波と日差しにさらされて弱っていて、じきに崩れる運命だったようです。私がやったのは、その最後のひと押しだけでした。
「壊してしまった」ではなく、「もともと崩れかけていた」。これがまず、ひとつ目の変換です。
そして、もうひとつ、この話にはとても大きな「オマケ」がついていました。
実はその日は、私の父が生まれてからちょうど100年の日でした。父は土や岩について詳しく調べる地質学が専門で、まだ子どもだった私を初めて葉山に連れてきてくれたのも父でした。
だから、その岩のかけらは失敗の証拠なんかではなく、父へのなによりのお土産、生誕100年のお供えになりました。ダメな一日のはずが、思いがけない意味を持つ一日に変わったのです。ただの岩のカケラが、何よりのお土産になった記念すべき一日に。
これが、ふたつ目の変換です。
今日、何かうまくいかないことがあったとしても。それは、まだ意味が見えていないだけかもしれません。
※ 文中でご紹介した「ある方」の事例は、個人情報保護のために多数のクライアントさんの事例から創作した「ペルソナ」さんの事例です。実在の特定のクライアントさんの例ではありません。