CBDは危ない?チャンス?効果とニーズを解説

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ビジネス・マーケティング
美容業界でのCBDの人気が高まっています。
しかし、
🤰化粧品事業者「ほんとに大丈夫なの?」
🤰化粧品事業者「安全性は確認されてる?」
🤰化粧品事業者「ニーズはあるの?」

そんな疑問を持っている方も多いでしょう。

今回は、化粧品開発や販売に携わる方々向けに、CBD(カンナビジオール)がなぜ美容業界で注目されているのか、その理由と具体的な利点を深掘りします。

✔ そもそもCBDって何?
✔ どんな消費者にニーズがあるの?
✔ 今後の成長性はどうなの?

化粧品開発・販売に携わる方はぜひチェックして下さい。

そもそもCBDって何?

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最近、美容業界だけでなく、さまざまな分野で注目を集めているCBDですが、その正体について正確に理解している人は意外と少ないかもしれません。

CBDとは「カンナビジオール」の略で、大麻から抽出される数百種類の化合物の一つです。

多くの人が誤解しているように、CBDは大麻の精神活性成分であるTHC(テトラヒドロカンナビノール)とは異なり、使ったからといって「ハイ」になることはありません。

CBDは主に大麻の「麻」部分から抽出され、

✔ 炎症を抑えたり
✔ 痛みを和らげたり
✔ 不安を軽減したり

という効果があるとされています。

CBDはどんな分野で使われてる?使用方法は?

このような特性から、医療分野でも広く研究されており、治療薬としてアメリカの医薬品局であるFDA(米国食品医薬品局)の承認を受けた例もあります。

現在、CBDが使用されている主な分野は次の通り。

・医療分野:
 慢性痛、関節炎、筋肉痛の緩和など。
 オイル、カプセル、注射、点滴、クリーム塗布など。
・ペットケア:
 関節炎や老齢による痛みの緩和、不安緩和など。
 オイル、クリーム、ローション塗布など。
・健康補助食品:
 睡眠の質向上、不眠症緩和、ストレス緩和など。
 オイル、カプセル、グミ、お菓子、飲料など。

人だけでなく、ペットにも使われているのですね。

これらの効果により、CBDはただの流行にとどまらず、多方面でその価値を認められている成分となっています。

幅広いニーズに合わせていろいろなタイプがあり、消費者はライフスタイルに合わせて最適な摂取方法を選んでいます。

CBDはどうやって美容業界に入ってきた?

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気づけば、あっという間に美容業界に浸透してきたCBD。
どういう流れで美容業界に入ってきたのか気になりませんか?

まず、そもそもCBDがこれだけ普及してきたきっかけは2018年、アメリカの法改正です。

トランプ大統領が「ファームビル2018」という法案にサインをしたことで、CBDが広まるきっかけとなりました。
CBDの商用利用が解禁されたのです。

それ以降、様々な業界でCBD製品が急速に普及し始めました。

CBDが美容業界に広く受け入れられるきっかけとなったのは、抗炎症、抗酸化、保湿効果が注目されたことにあります。
これらの特性が、特に敏感肌やニキビに悩みを持つ消費者に対して有効であるとされ、多くのスキンケアブランドがCBDを含む製品の開発に乗り出しました。

CBDが美容業界に入ってきたきっかけや、先がけとなった商品については、多くの企業が同時多発的に市場に投入を始めたため、一つに絞るのは難しいです。

しかし、アメリカを中心に、いくつかのブランドが特に初期の段階でCBD製品を市場に導入し、注目を集めました。

CBDは違法じゃないの?安全性は?


「CBDは大麻由来の成分」と聞くと、

🤰「え、大丈夫なの?」

と心配する方が多いと思います。

CBDの「法規制」「安全性」について解説します。

◇法規制の状況
大麻から抽出される成分には、次のようなものがあります。

・CBD
・THC
・その他成分

この「THC(テトラヒドロカンナビノール)」がいわゆる「ハイ」になる成分で、日本では大麻取締法、麻薬及び向精神薬取締法によって規制対象となっています。

一方、CBDについて基本的には使用については合法です。

ただし、日本における大麻関連の法律は非常に厳しく、CBD製品がTHC(テトラヒドロカンナビノール)を含まないことが絶対条件となります。

日本国内でCBD製品を扱う際には、製品がTHCを含まないことを保証し、関連法規に遵守することがとても重要です。
また、消費者への教育も不可欠であり、製品がどのようなものであるか、どのような利用が適切かという情報提供が求められます。

◇安全性について

CBDは、多くの科学的研究によって安全性が示されています。

一般的に、CBDは適切な用量で使用した場合には副作用は限定的です。
しかし、低血圧、口渇、眠気などの軽度の副作用が報告されています。
これらの副作用は一般的に一時的であり、使用を中止すれば解消されることが多いです。

また、CBDは特定の薬物と相互作用する可能性があるため、医薬品と併用する場合は医師と相談することが推奨されます。
特に、血圧の薬や抗凝固剤との併用は注意が必要です。

化粧品としてのCBD製品は、主に皮膚に塗るものが一般的であるため、体内への吸収が限定的です。
しかし、製品の安全性と効果を保証するために、製造メーカーで適切な製造管理と品質管理が行われているか確認することが重要です。

CBDの美容効果4選

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CBDの主な美容効果は次のとおりです。

✔ 抗炎症、肌荒れ防止
✔ 抗酸化
✔ 保湿
✔ ストレス緩和

◇抗炎症・肌荒れ防止
CBDは乾燥、敏感肌による「肌の赤み」や「炎症」を軽減する効果があります。
敏感肌の方やニキビに悩む方をターゲットとしたアイテムにCBDを加えることで、肌を落ち着かせ、高い満足度が期待できます。

薬機法上、「肌荒れ防止」「整肌効果」などがうたえます。

◇抗酸化
CBDには強力な抗酸化作用があります。
皮膚が老化する主な原因である物質から肌を守るはたらきがあり、肌の若々しさをキープするのに役立ちます。
エイジングケア製品にCBDを配合することで、しわやたるみの防止、肌のトーンの向上に効果を発揮します。

薬機法上、直接的に「抗酸化」は表現できないため、エイジングケア関連の表現に代替が必要です。

◇保湿効果
CBDは肌の保湿にもとても有効です。
CBDには脂肪酸という成分が含まれており、これが肌のバリア機能を強化し、みずみずしい状態を保つため、乾燥肌の改善につながります。
また、CBDは皮脂分泌をコントロールすることもできるため、オイリー肌や乾燥肌のバランスを取るのに役立ちます。

薬機法上、「肌にうるおいを与える」「水分を保つ」「乾燥を防ぐ」など比較的多くの表現が可能です。

◇ストレス緩和
CBDの有名な効果として、ストレス緩和が挙げられます。
精神的なリラクゼーション効果が認められており、ストレスによる肌トラブルの改善にも効果的です。
ストレスは肌の状態に直接影響するため、CBDを含むアイテムを使うことで、肌の炎症をおさえ、全体的にすこやかな状態を目指せます。

薬機法上、「リラックス」「ストレス緩和」などは表現できないため、代替表現が必要になります。

CBDの美容市場でのニーズ

CBDが美容業界で急速に広がっていることは明らかです。
では、なぜCBDがこれほどまでに人気を集めているのでしょうか?
その理由は大きく分けて次の4つです。

1、健康への意識が高まっている
2、エイジングケア効果に期待が集まっている
3、敏感肌や肌トラブルへの対策
4、ストレス緩和とリラクゼーション

◇1、健康への意識が高まっている
「なるべく自然なものを使いたい」
「天然素材が良い」

健康への意識が高まる中で、自然由来の製品へのニーズが増加しています。
CBDは自然由来の成分であり、安全性と効果が科学的にも支持されているため、特に健康志向の強い消費者からの注目を集めています。

CBDは肌の炎症を抑え、老化の兆候を和らげ、全体的な肌の健康を促進することから、自然派コスメティックとしての地位を確立しています。

◇2、エイジングケア効果に期待が集まっている
CBDの抗酸化作用により、皮膚の老化防止に効果があるとされ、これがエイジングケア製品へのニーズを高めています。
若々しい外見を求めるユーザーが増えるにつれて、しわやたるみを減少させ、肌を引き締める効果を持つCBD製品が求められています。

◇3、敏感肌や肌トラブルへの対策
CBDは、敏感肌やニキビ肌、その他肌トラブルを抱える方にとって大きな解決策のひとつ。
肌の赤みや炎症を穏やかにする効果により、日常的な肌ケア製品としても、また特定のトラブルに着目した製品としても、CBDは高い評価を受けています。

◇4、ストレス緩和とリラクゼーション
現代社会ではストレスが多くの健康問題を引き起こしていますが、CBDは心身のリラクゼーションを促すことで知られています。
このリラクゼーション効果は、肌にも良い影響を与え、ストレス由来の肌トラブルを軽減します。このため、リラックスを促進する製品としてのCBDのニーズも増えています。

CBD製品で狙うべきターゲット

美容にも嬉しい効果のあるCBD。
では、CBD製品で狙うべきはどのような人々でしょうか?

例えば、次のような人々がターゲットとなります。

1、健康・美容意識の高い20代〜40代
2、敏感肌、肌トラブルに悩む人
3、高ストレスな職業の人
4、天然・オーガニック製品が好きな人

◇1、健康・美容意識の高い20代〜40代
20代〜40代の中には、
「健康と外見を同時にケアしたい」
と考えている人がいます。

この層は、天然成分やサステナビリティに価値を感じている人も多く、CBDの自然由来である点や、数多くの健康効果に魅力を感じることが多いです。
特に、肌の若返りや炎症防止など、具体的な効果を求める顧客に対して、CBD製品は効果的なアピールが可能です。

◇2、敏感肌、肌トラブルに悩む人
敏感肌やニキビ、乾燥など、特定の肌トラブルを抱える人は、CBDの抗炎症効果や保湿効果に強い魅力を感じます。
このような肌トラブルに悩む人々は、肌に優しく、しかも効果的な解決策を求めており、CBDがぴったりの解決策になります。
製品ラインに敏感肌向けやトラブル肌向けのオプションを加えることで、この広い市場セグメントにアプローチできます。

◇3、高ストレスな職業の人
ストレスを感じやすい職業の人たちは、

・リラックスできるもの
・健康になれるもの

に非常に興味があります。
良いアイテムがあれば、高いお金を払ってでも頼りたいと思っている人もいます。
CBDのストレス緩和とリラクゼーション促進の効果は、このターゲット層に特に魅力的です。
リラクゼーション製品を求める顧客は、CBDを含む次のような製品
・バスボム
・マッサージオイル
・クリーム
・ボディローション
などに興味を持ちやすいため、このニーズを満たすのがチャンスにつながります。

◇4、天然・オーガニック製品が好きな人
オーガニック製品が好きな消費者は、
「どんな成分なのか?」
「その成分は何からできているのか?」
という点にとても敏感です。

CBDの自然由来と、化学物質を含まないクリーンなイメージは、この層にとても魅力的に感じます。
さらに、CBD製品が導く健康効果は、このような人たちのライフスタイルと完全にマッチしています。

CBD製品を市場に投入する際には、これらのターゲット層のニーズをよく理解し、製品のマーケティング戦略に反映させることがカギと言えます。
各ターゲット層に合ったメッセージの出し方と広告を行うことで、CBD製品のポテンシャルを最大限に引き出すことが期待できます。

CBD製品はどんなイメージを持たれる?商品例も

他の化粧品成分と比べてかなり独特な起源を持つCBD。

🤰「自社のブランドに取り入れて大丈夫かな?」
🤰「どんなイメージを持たれるかな?」

と疑問を持たれている事業者の方もいらっしゃると思います。

CBDを取り入れることによるブランドへの影響について考えるため、どのような製品に入っているのか見てみましょう。

まず、実際に市場にはどのようなCBD製品が出回っているのか見てみましょう。

参考:ELLE「いま話題のCBDとは? おすすめアイテム34選と選び方、摂取方法も解説」

◇ヘンプタッチ CBDオイルゴールド 3%

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◇「ピロー」CBD NIGHT GUMMIES

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◇「グッドナイト」CBD Beauty oil

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◇「ヘンプス」CBD RESCUE ROLL ON メディテーター
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CBD製品は、主に次のようなイメージを持たれることが多いです。

◇イメージ1:「リラックス」「ストレス緩和」「チル」
CBDの一番のイメージは、「リラックスできる」ことです。(「チル」=まったりする、くつろぐなどの意味)
CBDの他にそのような成分は少なく、CBDに注目が集まっているのもこのリラックス効果が大きな理由です。

CBDを製品に入れることで、
「リラックスできそう」
「気分が安定しそう」
「よく眠れそう」

などリラックスのイメージが持たれ、心身のリラクゼーションを求める現代人のニーズに応えることが可能です。
特に、日々の生活でストレスを感じやすい顧客層にアピールするのが効果的。

◇イメージ2:「かっこいい」「スタイリッシュ」
CBDの魅力は単なる健康、美容効果だけにとどまらず、スタイリッシュでモダンなライフスタイルの象徴としても注目されています。
多くのブランドがこのトレンドを取り入れ、CBD製品をライフスタイルの一部として消費者に提案しています。

CBD製品のパッケージや広告イメージには、シンプルでモダンなデザインを採用し、プレミアム感を高めるのがおすすめです。

ただの化粧品としてではなく、ライフスタイルの一部として提案することで、より広い層にアピールすることができます。

例えば、
・スポーツや体を動かすアクティブなライフスタイルを送る人向けに、疲労回復を助けるスポーツクリームとして
・瞑想と組み合わせるリラクゼーションアイテムとして
など、製品をどう使うか?について少し違った視点で提案してみると効果的です。

◇イメージ3:「神秘的」「不思議な力がある」
CBDは大麻植物から抽出されるため、ある種の「タブー感」があるのも事実。
一方、科学的に効果や安全性が確認されており、違法なものではありません。
このことが、消費者の好奇心を高め、

「何か特別なパワーを秘めたもの」

として認識されやすく、他の化粧品との差別化がしやすくなります。

この商品は特別なもの、希少なもの、というイメージを一緒に打ち出すことでブランドイメージを作り、コアなファン作りも期待できます。

◇注意点
ただし、CBDの神秘的なイメージを使うのは有効ですが、必要以上にタブー感や危険なイメージを持たせるのは得策ではありません。
「危ないものなんじゃないか」という誤解や不安を抱かせる可能性があるため、パッケージや広告にはいつも以上に気を使う必要があります。

薬機法上、「安心・安全」という直接的な表現はできませんが、消費者にそう感じてもらえるような表現の工夫が必要です。

CBDの市場規模は?今後成長していく?

CBD製品の市場は、特に美容と健康製品のカテゴリーで、際立った成長を見せています。

Global Market Insightsによると、世界的なCBD市場は数十億ドル(数千億円以上)規模に達する見込みです。

今後数年間でCBD市場はさらに拡大を続けるとされています。

特に、美容製品におけるCBDの使用は、今後伸長すると言われているエイジングケアや敏感肌ケアとの相乗効果で大きな成長が見込まれます。

CBD市場は現在も成長中であり、今後もその動向は多くの企業や消費者にとって注目の的となるでしょう。
成長市場でビジネスを展開するのは、上りエスカレーターに乗るようなものと言われています。

化粧品開発・販売に携わる企業さまにとってはこの新しいチャンスを活かし、新製品の開発をすることが今後の成功につながる可能性があります。

まとめ:CBD市場にはチャンスが眠っている!

CBD(カンナビジオール)が美容業界でどのように活用され、その効果と安全性、市場の成長がどのように進んでいるかをお話してきました。

CBD市場には潜在的なチャンスが眠っていると言えます。

チャンスを活かすためには、
・市場ニーズ把握
・法規制の把握とコンプライアンス遵守
・情報をお客さまに正しく伝える

これらを意識することをおすすめします。
ぜひ今後の戦略に活かして下さい。

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