「覚えられない」子に、もっと繰り返せと言う前に

「覚えられない」子に、もっと繰り返せと言う前に

記事
学び
「何回書いても覚えられないんです」

学習塾で長く子どもたちを教えていると、何度も聞いてきた言葉です。

漢字。
英単語。
歴史の年号。
人物名。
理科や社会の用語。

覚えることは、学校の勉強にはたくさんあります。

そして、なかなか覚えられない子を見ると、私たち大人はつい、

「もっと繰り返しなさい」

と言ってしまいます。

もちろん、繰り返すことは大切です。

でも45年間、さまざまな生徒を見てきて感じるのは、

繰り返す回数を増やすだけでは、うまくいかない子もいる

ということです。

「覚える力」がないのではなく、入口が合っていない

同じ漢字を10回、20回書いても残らない。

英単語を何度読んでも、次の日には忘れている。

そんな子がいます。

だからといって、その子に「記憶力がない」と決めつける必要はないと思っています。

私が教室で何度も見てきたのは、

覚え方を変えただけで、急に残るようになる瞬間

でした。

たとえば漢字なら、形をそのまま覚えるのではなく、別の言葉に置き換えてみる。

難しい人物名なら、ありえないような光景を頭の中に作ってみる。

歴史の年号なら、ちょっと笑ってしまうような語呂合わせにしてみる。

正攻法ではありません。

でも、その子の頭に残るなら、それも立派な勉強法ではないでしょうか。

ある漢字が、たった一言で残った

以前、ある生徒が「班」という漢字をなかなか正確に書けませんでした。

ほとんど覚えている。

でも、最後のところで迷う。

そこで私は、

「おう・リ・おう」

と覚えてみたら、と伝えました。

「王」があって、「リ」があって、また「王」。

それだけです。

すると本人は、

「あ、なるほど!」

と納得しました。

それ以降、その漢字で迷うことはなくなりました。

私にとって大事なのは、このとき「正しい漢字学習法だったか」ではありません。

本人の中に残ったかどうか。

そこです。

語呂合わせだって、立派な武器になる

私は昔から、生徒たちとよく語呂合わせを作ってきました。

有名なものを覚えるだけではありません。

自分たちで、

「もっと覚えやすい言い方はないか?」

と考えるのです。

少しくらい変でもいい。

むしろ、

「なんだ、それ!」

と笑ってしまうくらいの方が、後で思い出せることがあります。

勉強というと、

静かに、真面目に、何度も繰り返す。

そんなイメージがあります。

でも、覚えるという目的だけ考えれば、

笑ったこと、驚いたこと、自分で考えたこと

を利用してもいいはずです。

大切なのは「覚え方を一つにしない」こと

子どもによって、残りやすい方法は違います。

書いて覚える子。

声に出すと覚えられる子。

図にすると分かる子。

語呂合わせが得意な子。

変なイメージにすると忘れない子。

だから私は、

「この方法で覚えられないなら、もっと頑張れ」

ではなく、

「別の方法を試してみようか」

と考えることを大切にしてきました。

これは暗記だけではありません。

数学でも、国語でも、勉強全体に言えることだと思っています。

それが「ありえない勉強法」の出発点でした

これまでの指導の中で、

「普通はそんなことしないでしょう」

と言われそうな勉強法を、いろいろ試してきました。

ありえない画像で覚える。

語呂合わせを自分で作る。

失敗そのものを記憶に変える。

テスト前には情報を一枚に絞り込む。

一見すると少し変わっています。

でも、共通しているのは一つです。

「その子に残る方法を探す」

ということ。

こうした45年間の実践をまとめたのが、

「ありえない勉強法【完全版】」

です。

特別な勉強法を押しつけるためのものではありません。

「今のやり方ではどうもうまくいかない」

そんなときに、

別の入口もありますよ

とお伝えするためにまとめました。

最後に

もし、お子さんが

「覚えられない」

と困っていたら、

次に「もっと繰り返しなさい」と言う前に、一度だけ聞いてみてください。

「別の覚え方だったら、どうかな?」

語呂でもいい。

絵でもいい。

自分だけの変な言葉でもいい。

大切なのは、

覚えられない自分を責めることではなく、覚えられる入口を探すこと。

その入口が見つかった瞬間、勉強の景色が少し変わることがあります。
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