AI時代に、資格はもう意味がないのか?——認定テクニカルアナリストとFPを例に考える

記事
ビジネス・マーケティング

AIが「資格」の前提を崩し始めている


イーロン・マスク氏は、AIとロボティクスの進歩に関する発言の中で、人型ロボットが数年以内に世界最高レベルの外科医の技術を上回る可能性があると述べ、「医学部に行くこと自体が意味をなさなくなる」という趣旨のことを語っています。これは極端な未来予測に聞こえるかもしれませんが、方向性としては理解できる話です。AIは、これまで人間が何年もかけて暗記・習得してきた知識を、文字通り一瞬で読み込み、実践に近い形で再現できるようになりつつあります。

医者や弁護士のような、長年「知識量」そのものが参入障壁になっていた専門職ほど、この変化の影響を強く受けます。知識を持っていること自体の希少価値が、急速に目減りしていくからです。

認定テクニカルアナリストやFPも、同じ構造の中にある


これはFXや投資の世界にある資格にも、そのまま当てはまります。たとえば「認定テクニカルアナリスト」という資格は、教材一式5万円程度の通信教育で学び、合格率9割前後で取得できます。受験は年2回、受験料は1万1千円ほどで、何度でも挑戦できるハードルの低い資格です。ファイナンシャルプランナー(FP)も、似たような位置づけの資格と言えます。

どちらも、知識を体系的に整理する意味では悪くない資格です。ただ、あくまで知識レベルの証明であり、暗記の要素も多分に含まれます。そしてこの手の「暗記して答える」タイプの知識は、まさにAIが最も得意とする領域です。今後は、資格を持っていること自体の価値が、これまでよりも急速に目減りしていくと考えるのが自然でしょう。

資格を持っている人が、必ずしも成功しているとは限らない


もう一つ、はっきりさせておきたい事実があります。こうした資格を保有している人が、必ずしもその世界で成功しているとは限らない、ということです。

資格は、稼いでいる証拠にはなりません。実際に相場で判断を下し続けられる証拠にもなりませんし、人にトレードを教えられるレベルにあることの証明にもなりません。相場はそもそもテクニカル分析だけで動いているわけではないので、テクニカルの知識だけを問う資格は、無意味とまでは言わないまでも、明らかに片手落ちです。これはFXに限った話ではなく、多くの「知識系資格」に共通する限界だと思います。

これからの時代に、価値を持ち続けるもの


AIによって知識の希少価値が薄れていく時代に、価値を持ち続けるのは、実際の場面で判断を下し続けてきた経験と、それを裏付ける実績です。

自動車の運転免許で言えば、学科試験に合格しただけでは公道には出られません。路上教習を経て、初めて実際の運転ができるようになります。トレーダーとしての実力も同じで、座学の資格の先にある「実技」の部分を、どう積み上げてきたかが問われます。

資格取得そのものを否定するつもりはありません。ただ、それを最終目的にしてしまうと、AIによって急速に価値を失っていく領域に時間を投資し続けることになりかねません。これから何かを学ぶなら、知識そのものよりも、その知識を実際の判断にどう落とし込むかという「実技」の部分に、意識を向けてみてください。


サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す