従業員から「ハラスメントです」と相談されたら

従業員から「ハラスメントです」と相談されたら

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ビジネス・マーケティング
「少し、お話ししたいことがあります」

従業員からそう声をかけられ、話を聞くと、上司の言動についての相談だった。人事担当者がいない小さな会社では、社長自身が最初の相談相手になることがあります。

相手の上司もよく知っている。仕事への熱意も、会社への貢献も分かっている。だからこそ、ついこう言いたくなるかもしれません。

「悪気はないと思うよ」
「あの人は、誰にでも厳しいから」

しかし、その言葉で従業員が「これ以上話しても無駄だ」と感じれば、詳しい事情を知る機会を失ってしまいます。

## 最初は、判断よりも話を聴く

相談されたその場で、ハラスメントに当たるか、誰に責任があるかを決める必要はありません。

まずは、落ち着いて話せる場所で、次のように伝えてみてください。

「話してくれてありがとうございます。どのようなことがあったのか、順番に聞かせてください」

話を聴くことと、申告された内容をすべて事実だと認めることは別です。気持ちに配慮しながら、事実はその後に確認できます。

## 「明日も一緒に働くのか」を確かめる

詳しい経緯を聞く前に、確認しておきたいことがあります。

「今日この後、その人と二人になる予定はありますか」
「体調や、出勤することへの不安はありますか」

小さな職場では、翌日も同じ相手と接する可能性があります。確認が終わるまで放置せず、必要に応じて連絡経路や仕事の組合せを一時的に調整します。

その際、相談した本人だけの勤務時間や仕事を減らすなど、本人に負担が偏る対応にならないよう注意が必要です。

## 「誰にも言わない」とは約束しない

秘密を守る姿勢は大切ですが、調査や安全確保のために、必要な人へ情報を伝える場合があります。

「絶対に誰にも言わない」と約束するよりも、次のように説明する方が、その後の対応につながります。

「必要な確認のため、担当する人に一部を伝える場合があります。誰に、何を伝える必要があるか、あなたの希望や安全も踏まえて考えます」

最後に、次の連絡日を決めてください。

相談後に何も連絡がないと、本人には会社が動いているかどうか分かりません。調査が終わっていなくても、進み具合や次の予定は伝えられます。

社長が最初に担うのは、すべてを解決すると約束することではありません。安心して話せる状態をつくり、必要な対応を始めることです。

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かぐら労務オフィスでは、相談された当日の声かけから、聞き取り・記録・再発防止までを整理した『小さな会社のハラスメント初動対応マニュアル』を制作しました。人事専任者がいない会社で、対応の順序を確認したいときにご活用ください。

[教材の内容を見る(ココナラ)]
発行:かぐら労務オフィス  
参考:厚生労働省「あかるい職場応援団」  
本記事は一般的な実務の考え方を紹介するものです。個別事案の判断は、具体的な事情によって異なります。
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