前回の記事では、子どもの不登校をきっかけに、親自身の生き方を見つめ直すという話をしました。
今回は、もう一歩踏み込んでみたいと思います。
*子どもが悩みを表に出した年齢と、あなた自身がかつて悩んでいた年齢。*
この二つを、振り返ってみたことはありますか?
## 子どもの問題と、親の過去
精神科医・高橋和巳氏の著書『子は親を救うために「心の病」になる』には、親子の心の問題を考えるうえで、興味深い事例が紹介されています。
本書で扱われる親子の事例を読むと、子どもが悩みを表に出した時期に、親自身もかつて同じくらいの年齢で葛藤や問題を抱えていた、という重なりに目を向けたくなります。
もちろん、すべての親子に当てはまる法則ではありません。
また、親の過去が子どもの不登校を引き起こした、と単純に結論づけることもできません。
けれど、もしあなたのお子さんが今、学校に行けずに苦しんでいるのなら。
少しだけ、ご自身の過去を振り返ってみてほしいのです。
## あなたが、その年齢だった頃
お子さんが小学生なら、あなたが小学生だった頃。
お子さんが中学生なら、あなたが中学生だった頃。
その頃のあなたは、どんな子どもでしたか?
本当は嫌だったのに、我慢していたことはありませんでしたか?
親に心配をかけないように、言えなかったことはありませんでしたか?
期待に応えようとして、無理をしていませんでしたか?
あるいは、誰かに分かってほしかったのに、分かってもらえなかった思いはありませんか?
大人になった今では、すっかり忘れてしまったこともあるかもしれません。
けれど、当時の自分が何を感じていたのか。
そこに目を向けてみることには、意味があるのではないでしょうか。
## あの頃の自分は、どうしたかったのだろう
私たちは大人になるにつれて、さまざまなことを身につけていきます。
我慢すること。
期待に応えること。
周囲に合わせること。
自分の気持ちよりも、やるべきことを優先すること。
それらのおかげで、乗り越えられたこともあるでしょう。
けれど、子どもの頃に身につけた生き方を、大人になった今も無意識に続けているとしたら?
「もっと頑張らなければ」
「ちゃんとしなければ」
「自分さえ我慢すればいい」
そんな思いが、今のあなたを縛っている可能性はないでしょうか。
そして、あなたのお子さんもまた、あなたとは違う事情を抱えながら、何かに苦しんでいるのかもしれません。
だからといって、子どもの問題を親の責任にする必要はありません。
大切なのは、子どもを自分と同じ生き方に当てはめないこと。そして、自分自身も、かつて身につけた生き方だけに縛られないことです。
## 子どもを変えようとする前に
お子さんが学校に行けるようになってほしい。
その願いは、当然のものだと思います。
けれど、子どもを何とかしようとすることに精一杯で、自分自身の気持ちを置き去りにしていないでしょうか。
あなたが子どもだった頃、本当はどうしたかったのでしょう。
誰に、何を分かってほしかったのでしょう。
そして今、大人になったあなたは、本当はどんな人生を生きたいのでしょう。
過去を振り返ることは、誰かを責めるためではありません。
今まで気づかなかった自分の思いに気づき、これからの生き方を選び直すためです。
**子どもの未来を心配するあなたにも、あなた自身の未来があります。**
まずは、あの頃の自分に問いかけてみませんか。
「本当は、どうしたかった?」