たとえば、こんなやり取りです。
納品前の確認で、お客さまから「では、別のサイズも一緒にお願いします」と届く。
こちらは1サイズのつもりだった。でも、相手は当然含まれると思っている。
「追加になります」と打ちかけて、冷たく見えないか気になり、返信の手が止まる。
※説明のための架空の場面です。
仕事を頼んでもらえるのは、うれしい。できるだけ応えたい。
それでも、予定していない作業まで引き受けると、ほかの仕事や自分の時間にしわ寄せが来る。かといって、最初から対象外の話をすると、頼みにくい人だと思われそう。
そんな迷いがあるなら、いま決まっている対応範囲を、依頼前に一緒に確認できる形にしてみませんか。
目指したいのは、お客さまが「今回はこれを頼める」と分かり、自分も「この内容なら進められる」と落ち着いて返事できる状態です。
この記事は、料金や提供内容がすでに決まっている、個人・小規模サービスの方向けです。
■ 料金のすぐ下に、3つの欄を置く
長い説明の最後に対象外を並べると、見落とされることがあります。
料金を見る場所に、次の3つを短く添えてみてください。
1.基本料金に含むこと
「制作一式」だけで終わらず、何を・どれだけ・どんな形で渡すかまで書きます。
2.今回の料金に含まないこと
お客さまが一緒に頼めると考えそうな作業を、具体的に書きます。すべての例を並べず、迷いやすいものから。
3.追加を希望するときの進め方
対応できるものは、内容・料金・納期を事前に確認する流れを添えます。提供していない作業まで「別途相談」と書くと、期待を持たせてしまうので分けましょう。
「含まないこと」だけを強調せず、先に「ここまでは受け取れる」を示すと、頼める範囲も伝わります。
■ 曖昧な説明を、どう直すか
以下は架空のバナー制作サービスの例です。当方のサービス条件ではありません。
【整理前】
バナーを1点制作します。修正対応あり。サイズ変更はご相談ください。
これだと、何サイズ受け取れるのか、修正がどこまでなのか、相談すれば無料なのかが読み取れません。
【整理後】
・含むこと:支給された文章と画像を使い、事前に決めた1サイズのバナーを1案制作。完成画像をPNGで1点お渡しします。
・修正:初稿を確認後、変更希望をまとめて1回お送りください。文字の差し替えと配置の調整が対象です。
・含まないこと:原稿の新規作成、写真撮影、ロゴ制作。これらの作業は、このサービスではお受けしていません。
・追加相談:別サイズの制作や、確定後の方向性変更は、着手前に対応可否・追加料金・納期をご案内します。内容をご確認いただいてから進めます。
ポイントは、「1回」だけでなく、何を直せるのかも書くこと。
写真の差し替えと、別の雰囲気で一から作ることでは、同じ「修正」でも作業が違います。自分のサービスで決めている範囲を、相手が想像できる言葉に置き換えます。
■ コピーして使える、短いひな形
基本料金に含むこと:[作業/数量/お渡しする形]
修正・調整の範囲:[対象/回数/伝えていただく方法]
含まないこと:[対象外の作業]
追加を希望する場合:[相談するタイミング/確認する内容]
空欄は、実際に決まっている内容だけで埋めてください。まだ迷っている条件は、そのまま約束せず、先に整理しておきましょう。
■ まずは、迷われそうな作業を1つ
サービス説明を開いて、お客さまが「これも込みかな」と思いそうな作業を1つ選んでみてください。
それが「含む」「対応しない」「追加相談」のどれか、料金のそばに一文足します。
最後に、「上記以外に、ご希望の作業はありますか」と確認できると、相手の想定も聞けます。文章だけで、すべての行き違いがなくなるわけではありません。だからこそ、依頼前に話し合える入口を用意しておきましょう。
確定した内容を、相手に渡せる紹介資料に整えたい方へ。最大5枚の資料制作については、サービスページで制作範囲と条件をご確認ください。