「内緒ですよ。(この団体、辞めようと思ってて…)」「ん~汗」

「内緒ですよ。(この団体、辞めようと思ってて…)」「ん~汗」

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コラム
「内緒ですよ。(この団体、辞めようと思ってて…)コショコショ」
60代半ばにもなる女性が苦い表情で、こしょこしょ話をしてきた。


陶芸ができる場所は案外ある。
その代表的なのが高齢者率が多い「市のコミュニティサークル」だ。

その団体に所属する知人から
「隣接する市の陶芸クラブと合同展示するので
手伝ってくれないか?作品展示してくれていいので」
とお誘いがあった。

快く引き受け、半日の受付担当もすることになった。
まぁ・・・客は・・・全然こない。
そこでペアになった60代半ばの女性と
楽しくお話して、だんだんと打ち解けてきた。

ふと彼女が小声で言った。

「辞めようと思ってて。この団体・・・。」
「陶芸、嫌になったんですか?」
「逆です。もっと、やりたいんですけど。
じつは・・・

団体には団体のルールがある。
たとえば、窯を焚く日も決まっている。
焼ける作品の数や種類にも制限がある。
使える釉薬(色選び)も限られている。

そしてそれだけではない・・・。
こだわり強い高齢者たちの
”ヒエラルキー”(上下関係)があるというのだ

共同の場のはずなのに、
長年所属する4人ほどのグループが実質の判断権を持っているという。
「これ、焼きたいんですけど……」
「今月はもういっぱい。」
「(え。明らかに空いてるのに…?)」

「窯のそこに入れるのは私って決まってるんだけど!この作品どけて!」
(※陶芸は窯の位置で発色に変化があることがある)
「あなたは下手だから大きな作品は作らないで」


「ん~・・・。ご高齢になっても、そういう方いるんですね。。。」
「”高齢だから”かもしれないです。
こだわりがあるのはいいのだけど、それを他人にも強要されるので、ぶつかり合いもおおくて・・・」

特に「焼き」の工程では、
みんなのこだわりがぶつかり合うらしく、
そんなことが続くうちに、「陶芸を楽しむ」という気持ちまで、
少しずつ小さくなっていったらしい。

「団体を辞めたら、陶芸できなくなると思って…。まだ作りたいものあるんですけどね。」
彼女は力なく笑った。


「何を作りたいんですか?」
と聞くと、
「実はもう作ってて。孫のおやつ皿。家に置いてあるんです」
不器用にスマホの写真フォルダからお孫さんの写真を見せてくれた。
お皿の写真も見せてくれた。
その子の好きな電車の絵付けもしてあった。

そこから、
「あとね…」
と、作りたいもの作りかけのものの話が止まらない。

ああ。
この人、陶芸が好きなんだなぁ。
ただ、人間関係と、焼成環境というハードルの前で止まっているんだ。


「窯、貸しましょうか?」
「えっ・・・」


そこからは早かった。
3日後、彼女は工房を訪ねてきた。
どんな作品をどう焼くか、入念に打ち合わせをした。
出来る限り彼女の要望に沿って、内容を詰めていく。
表情はとても晴れやかだ。

1ヶ月後、焼きあがった作品をお渡しした。
「陶芸しているけど、自由に焼く場所がなくて悩んでる人多いと思います」


「もっと作りたい。」と思っているなら、
その気持ちまで、誰か気分や共同の窯の予定表に合わせなくてもいい。

作品には作った者だけが感じる「新鮮さ」がある。
孫のお皿を作りたいと思ったときに、作らないと「新鮮さ」が失われる。
この感覚は、作り手にしかわからないだろう。
作品がもつ「熱量」があるのだ。

「新鮮さ」「熱量」があるうちに、陶芸作品を完成させたい。
そんな悩みを解決するために
ココナラで貸し窯のサービスを作ってみた。
(CMかーい。でも話は実話です。)

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