若返ることと、若々しくあることは違う

若返ることと、若々しくあることは違う

記事
コラム
「若々しくありたい」

そう思うことは、決して悪いことではないと思います。

年齢を重ねても健康でいたい。
身体を軽く動かしたい。
いつまでも元気でいたい。
できれば、見た目も若々しくありたい。

私自身も、それはとても自然な気持ちだと思っています。
ただ、ここで一つ考えてみたいことがあります。

「若返ること」と「若々しくあること」は、本当に同じなのでしょうか。

私は、少し違うのではないかと思っています。

「若返る」という言葉
「若返る」と聞くと、私たちは無意識に「昔の自分に戻る」というイメージを持ってしまいます。

20代の頃の体型。
20代の頃の肌。
20代の頃の体力。
20代の頃の顔。

もちろん、健康のために身体機能を維持することは大切です。
筋力を保つことも大切です。
身体を動かすことも大切です。
しかし、時間を巻き戻すことはできません。

そして、そもそも私たちは、昔の自分に戻る必要があるのでしょうか。

『若々しい人は「若い人」とは限らない』

街を歩いていて、
「この人、若々しいな」
と感じることがあります。

その人が、必ずしも若いとは限りません。
年齢を聞いて驚くこともあります。
では、私たちは何を見て「若々しい」と感じているのでしょうか。

顔のシワの少なさでしょうか。
髪の色でしょうか。
体重でしょうか。

もちろん、そういった要素もあるでしょう。
でも、それだけではないように思います。

私が大切だと思うのは「身体全体の印象」
長年、人の身体に関わる仕事をしていると、

「姿勢」や「身体の動かし方」が、その人の印象に大きく関わっている
と感じることがあります。

背中が丸くなっている。
頭が前に出ている。
歩幅が小さくなっている。
立ち上がるときに身体を大きく揺らす。
身体を動かすことが億劫になっている。

こうした変化は、単に「年齢」という数字だけでは表せません。

そして反対に、
背筋が自然に伸びている。
歩き方が軽やか。
身体を無理なく動かしている。
表情が明るい。
自分の身体を自分で支えている。
そんな人は、実年齢に関係なく若々しく感じられることがあります。

私はそこに、「若々しさ」の一つの正体があるのではないかと思っています。

『若々しさは「若さ」ではない』

若さは、時間とともに変化していきます。

20歳の人が40歳になる。
40歳の人が60歳になる。

それを止めることはできません。

でも、「若々しくあること」は、年齢とは少し違うのではないでしょうか。

身体を動かす。
筋肉を使う。
姿勢を整える。
よく眠る。
食事を大切にする。
人と関わる。
好きなことを楽しむ。
新しいことに興味を持つ。

そうした日々の積み重ねが、その人の「若々しさ」をつくっていくのかもしれません。
つまり、「若々しさは、年齢を否定することで生まれるものではない。」
私はそう考えています。

『「昔の自分」を目標にしなくてもいい』

例えば、40歳の人が、
「20歳の頃の体重に戻りたい」
と思うことがあります。

その気持ちは理解できます。
でも、本当に必要なのは「20歳の身体」でしょうか。

40歳には40歳の生活があります。
仕事もある。
家庭もある。
これまで積み重ねてきた経験もある。
身体も20歳の頃とは違います。
だからこそ、40歳の自分にとって、
健康で動きやすく、美しい身体を目指す。

そのほうが自然なのではないでしょうか。

50歳なら50歳の身体。
60歳なら60歳の身体。

その年齢の自分を基準にして考える。
私は、それがアクセプト・エイジングの考え方につながると思っています。

『「戻る」のではなく「整える」』

アクセプト・エイジングでは、
「若い頃に戻る」ことを目標にしません。
そうではなく、
「今の自分を整える」
ことを大切にします。

筋力が落ちてきたなら、今の身体に合った運動をする。
姿勢が変わってきたなら、身体の使い方を見直す。
疲れやすくなったなら、休養や生活習慣を見直す。
体型が変わってきたなら、体重だけではなく筋肉や姿勢も考える。
肌が変化してきたなら、その年代に合ったケアをする。
それは「老いに抵抗する」ということではありません。

今の自分を理解して、今の自分をより良くしていくことです。

『年齢を重ねることは「劣化」ではない』
「
若さ」を基準にすると、
歳を取ることは、何かを失っていくことのように見えてしまいます。

でも、本当にそうでしょうか。
経験は増えていきます。
自分の身体についても、若い頃より分かるようになります。

自分に何が必要なのか。
何をすれば疲れるのか。
どんな生活をすると調子がいいのか。
何を大切にしたいのか。

そうしたことが分かってくるのも、歳を重ねることの一つの価値だと思います。
だから私は、
「年齢を重ねる=劣化する」
という一つの見方だけで、自分の身体や人生を評価してほしくないと思っています。

若返るのではなく、若々しく生きる
若返ることを目指すのではなく、若々しく生きる。

そのために、身体を整える。
そのために、筋肉を使う。
そのために、姿勢を大切にする。
そのために、健康を大切にする。

そして何より、
「今の自分を否定しない。」

私は、それが「アクセプト・エイジング」の一つの形なのではないかと思っています。
若さを追いかけるのではなく、
今の年齢だからこそできることを楽しむ。
過去の自分に戻るのではなく、
これからの自分を育てていく。

それは、年齢に抗うこととは少し違います。

「若返る」のではなく、
「若々しくある」。
そして、
「若くなる」のではなく、
「今の自分をより良くする」。

私は、そんな考え方を大切にしていきたいと思います。
それが、私の考える
「アクセプト・エイジング」
という生き方です。
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