70代ベテラン隊員の底力と、高校生の息子が漏らした「本音」

70代ベテラン隊員の底力と、高校生の息子が漏らした「本音」

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コラム
月曜日の朝。事務所のデスクで隊員たちの配置表を精査するのが、私の週初めのルーティンです。

弊社には20代の若手から70代のベテランまで幅広い年齢層が在籍していますが、中でもずば抜けて活気があるのが、今年で72歳になるSさんです。

「社長!今日の現場、若い監督さんが指示に手間取っていたから、私がサッと交通の整流化をやっておきましたよ!」

夕方、現場業務を終えて戻ってきたSさんは、日焼けした顔に笑顔を浮かべて報告してくれました。70代とは思えない力強い足取りと声の張り。長年の現場経験で培われた判断力には、経営者として心から感謝しています。

しかしその反面、「いつまでシニア層の体力と善意に頼り続けていて良いのだろうか」という課題意識が、常に頭から離れません。

息子の「素朴な一言」が突きつけた現実
そんなモヤモヤを抱えたまま帰宅した日の夕食時、高校2年の長男が何気なく口を開きました。

「今日、部活の帰りに工事現場の横を通ったんだけどさ」

サッカー部の練習終わりで汗をかいた息子がお茶を飲みながら言います。

「警備員のおじいちゃんが『気をつけて帰りなよ』って笑顔で手振ってくれて嬉しかったな。でもさ、あの猛暑の中でずっと立ってるの、俺だったら絶対に体が持たないと思うわ……」

何気ない息子の言葉が、深く胸に刺さりました。


世間一般から見れば、現在の警備業は「高齢の警備員さんが無理をして支えている業界」に見えているのが紛れもないリアルなのです。現場を必死に守ってくれているベテランたちに感謝するからこそ、彼らが安全かつ無理なく働ける環境を整えなければなりません。そのためには、若手やミドル層という新しい力を現場に呼び込むことが不可欠です。

会社を育てるということ

夜、静まり返った自宅のベランダに出ました。

趣味で育ているナスやトマトの鉢に水をやりながら、暗がりの中で葉の育ち具合を確かめます。土を整え、水をやり、時間をかけて見守ることで育っていく作物たち。手塩にかけた分だけ応えてくれるその姿は、会社の組織づくりや人材育成と全く同じだと感じます。

隊員たちも同様です。大切に扱い、誇りとやりがいを持てる環境を整えれば、現場で素晴らしい成果を出してくれます。

「そのためには、まず採用の口っこみを広げて『新しい仲間』を集めないとな……」

暗闇の中で独り言をこぼしました。

折り込みチラシや従来の求人誌に掲載しても、ほとんど反応が得られない今の時代。時代の変化に対応しなければならないと頭では理解しつつも、具体的な打開策が見つからない。そんな葛藤を抱えたまま、私は床に就きました。
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