宿を始めると、思っていたより早く外国のお客様が来ます。
そのときに迷うのが、パスポートをどこまで確認するのかという話です。
結論から書くと、分かれ道は国籍ではありません。
日本国内に住所があるかどうか、それだけです。
外国人宿泊者のパスポート確認は義務か
日本国内に住所がない外国人のお客様については、国籍と旅券番号を宿泊者名簿に記載していただき、旅券の提示を求めて、その写しを名簿とともに保存することとされています。
一方、日本に住んでいる外国籍のお客様は、国内のお客様と同じ扱いで構いません。
日本で働いている方、留学している方、家族と暮らしている方。国籍が海外でも、日本国内に住所があるなら、パスポートの確認は不要です。
受付で見るのは「どこの国の方か」ではなく「住所欄に書かれたのが日本国内か海外か」です。
宿泊者名簿の書き方(外国人の場合)
名簿に書いていただくのは、通常の項目に加えて国籍と旅券番号です。
旅券の写しを保存している場合は、氏名・国籍・旅券番号の記載を、その写しで代えることもできます。
ただ実務では、省略せずに書いていただいた方が、後から探すときに楽です。
写しだけが残っていると、どの日の誰の分かが分からなくなります。
スタッフに渡すなら、この一行だけでいい
現場で一番困るのは、判断がスタッフごとに変わることです。
かといって、法令の説明を読んでもらうのは現実的ではありません。
うちは、紙一枚にこう書いて貼っています。
住所が海外のお客様だけ、パスポートを見せていただく
国籍と旅券番号を名簿に書いていただく
顔写真のページの写しを取る
迷ったらオーナーに聞く
覚えることを増やすほど、現場は回らなくなります。
判断の分かれ道をひとつに絞って、それ以外は聞いてもらう形にした方が、結局ミスが減りました。
提示をためらわれたとき
まれに、パスポートを出すことに抵抗を示される方がいます。
外国人宿泊者の対応を、その場で調べながら進めると、フロントの対応が止まりやすくなります。
事前にルールと案内文を決めておくと、現場で迷いにくくなります。
伝え方として大事なのは、宿が勝手に決めたルールではなく、法令と国の指導に基づく確認であることを説明することです。
英語の説明文を紙で用意しておくと、言葉が通じにくい場面でも渡すだけで済みます。
写しの保管まで決めておく
写しを取った後、どこに置くかを決めていないと、カウンターに置きっぱなしになります。
個人情報なので、保管場所は先に決めておいた方がいいです。
スタッフの私物のスマホで撮るのも避けた方がいいと思います。
保存期間は、名簿と同じく作成した日から3年間です。
最後に
ここまでは国の要件です。
細かい運用は自治体によって違いますし、独自の様式を指定している場合もあります。
最終的には、管轄の保健所(民泊は届出先の自治体)に確認してください。
開業前に知っておけば、受付で慌てずに済む話だと思います。
いざ開業準備となると、宿泊者名簿、外国人宿泊者への案内文、スタッフ向けの確認手順をゼロから調べて作るのは時間がかかります。
その手間を減らしたい方向けに、旅館業・民泊それぞれの実務で使えるExcel一式をまとめています。
自治体ごとの運用確認は必要ですが、ゼロから作る時間を減らして、現場で使える形から始められます。