宿泊者名簿は、作成した日から3年間の保存が必要です。
この「3年保存」は、開業準備の段階でほとんどの人が知ります。保健所でも言われますし、調べれば出てきます。
ただ、そこで決めるのは保存の話だけで、廃棄の話まで決めている宿は少ないです。
■1. 3年保存はできているのに、積み上がる
よくあるのが、こういう状態です。
名簿はきちんと保存してある。ファイルも分かれている。検査で見せろと言われたら出せる。
でも、3年を過ぎた分がそのまま残っている。
これは「保存していない」よりはずっといいのですが、別のリスクがあります。
必要のなくなった個人情報を、必要以上の期間、手元に持ち続けている状態です。宿泊者の氏名・住所・連絡先が入った紙やデータが、棚の奥とパソコンの中に積み上がっていきます。
保存は義務ですが、保存し続けることが義務なのではありません。
■2. 「いつ捨てるか」を人間が数えない形にする
廃棄が進まない理由は、意志の問題ではなく、いつ捨てていいのかが一目で分からないからです。
「2023年の分だから、たぶんもう大丈夫なはず」と考える手間が1秒でも入ると、人は後回しにします。繁忙期ならなおさらです。
だから、やることは1つだけです。
宿泊日の隣に、廃棄できる日付を書いておく。
紙の名簿なら、ファイルの背か最初のページに「廃棄可:2029年4月以降」と書いておく。
Excelで管理しているなら、宿泊日から自動で3年後が出るようにしておく。
これだけで、棚卸しが「日付を見るだけ」の作業になります。考える工程がなくなると、人は動きます。
■3. 紙とデータで、捨て方が違う
紙はシュレッダーです。可燃ごみに直行させない、というだけの話ですが、繁忙期の片付けで混ざるのが一番多い事故です。
データのほうが、実は厄介です。
ファイルをゴミ箱に入れて終わりにしてしまうと、ゴミ箱の中に残ります。クラウドに置いている場合は、クラウド側のゴミ箱にも残ります。バックアップを取っている場合は、バックアップの中にも残ります。
消す場所が複数あることを、先に把握しておく必要があります。
「名簿データがどこに何個あるか」を1行で書いておくだけで、だいぶ変わります。
■4. 開業前の今が、一番安く設計できる
営業が始まってから廃棄ルールを作るのは、面倒です。すでに溜まった分の仕分けから始まるからです。
開業前なら、1件目のお客様が来る前に、保存場所と廃棄日の書き方を決めてしまえます。かかる時間は15分くらいです。
名簿は、作る作業より、3年間回し続ける作業のほうが長い。
最初に設計しておく価値があるのは、たぶんそこだと思います。
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