「もっと全体を見て」って、新人には難しい言葉だと思う

「もっと全体を見て」って、新人には難しい言葉だと思う

記事
コラム
保育の現場では、

「もう少し全体を見て」
「周りも見ながら動いて」

と声をかけることがあります。

経験を重ねた保育者なら、「ああ、そういうことね」と分かる言葉かもしれません。

でも、新人・若手保育者にとっては、意外と難しい言葉です。

「全体って、どこを見ればいいんだろう?」

子ども全員をずっと見ていればいいのでしょうか。

一人の子どもと関わっている時も、他の子どもを見続けなければいけないのでしょうか。

私自身、新人・若手職員と関わる中で、経験者が普段何気なく使っている言葉ほど、経験の浅い人には具体的な行動が分かりにくいことがあると感じてきました。

「全体を見る」は、全員を同時に見ることではない

保育者の目は二つしかありません。

一人の子どもとしっかり関われば、その分、他の場所への注意は薄くなります。

だから大切なのは、「全部を見る」ことよりも、

今、どこを見る必要があるのか。

を考えることだと思います。

たとえば、

子どもたちは今どこにいるのか。
遊び方が変わってきていないか。
さっきまでと違う様子の子はいないか。
見えにくい場所はないか。
他の職員はどこを見ているのか。

そして、一人の子どもに深く関わろうとした時には、

「自分がここに入ったら、全体は誰が見る?」

と考えてみる。

これだけでも、「全体を見る」という言葉が少し具体的になります。

新人に必要なのは「もっと頑張って」ではなく「何を見るか」

新人が周囲を見られていない時に、

「もっと全体を見て」

と繰り返しても、本人が「何を見ればいいのか」を分かっていなければ、なかなか行動は変わりません。

これは本人のやる気だけの問題ではないと思います。

経験者が無意識に見ているものを、言葉にして渡す。

「私は今、ここを見ていたよ」
「この子の動きが変わったから気になった」
「ここが見えなくなるから立つ位置を変えたよ」

そんなふうに伝えることで、新人・若手が次に見るものが一つ増えていきます。

最初から全部見えなくてもいい。

昨日より一つ「あれ?」に気づけた。

その積み重ねが、少しずつ「全体を見る力」になっていくのではないでしょうか。

分かるようで分からない保育の言葉を、具体的にしたい

保育の現場には、

「もっと全体を見て」
「もう少し見守って」
「家庭的な保育を大切に」

など、経験者には感覚的に分かっても、新人・若手には具体的な行動が見えにくい言葉があります。

何を見るのか。
何を考えるのか。
どう動くのか。

そこまで言葉にできれば、経験はもっと伝えやすくなる。

「保育現場の改善室」では、そんな現場の「分かるようで分からない」を、一つずつ具体的に整理していきたいと思っています。

今回は、「全体を見る」について考えてみました。
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す