英検2級レベルの答案を、実際に添削してみました【全文つき】

英検2級レベルの答案を、実際に添削してみました【全文つき】

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英作文の添削というのが具体的に何をするものなのか、言葉で説明してもなかなか伝わりません。

そこで今回は、答案を1本まるごと添削してみます。


はじめにお断りしておくと、ここで扱う答案は実在の生徒さんのものではありません。塾で実際によく見る誤りを組み合わせて、私が作った作例です。特定の方の答案を無断で公開することはありません。

また、点数は出しません。英検協会は答案ごとの得点を公表していないので、「この答案は何点」と申し上げる根拠を私は持っていないためです。代わりに、公式の採点観点に照らして、どこが強くてどこが弱いかを書きます。


■ 設問と答案

設問はこちらです。

Do you think students should have a part-time job?
(学生はアルバイトをするべきだと思いますか)

答案がこちらです。83語あります。

I think students should have a part-time job. I have two reason.

First, they can learn how to work with many people. In school, students only meet their classmates and teachers. This experience will be useful when they will become members of society.

Second, they can get money by themselves. If they want to buy something expensive, they don't need to ask their parents. It also teach them the value of money.

For these reason, I think students should have a part-time job.


■ まず、できているところ

添削というと誤りを探す作業に見えますが、最初に見るのは「できているところ」です。

この答案は、主張 → 理由1 → 理由2 → まとめ、という流れが最後まで崩れていません。First / Second / For these reasons という型もきちんと使えています。

さらに良いのは、2つの理由それぞれに説明が添えられている点です。

・理由1 →「学校では同級生と先生にしか会わない」
・理由2 →「高いものを買うとき、親に頼まなくて済む」「お金の価値も学べる」

英検の公式資料には、理由に説明や具体例がないと減点の対象になる、という趣旨の記述があります。その点でこの答案は、土台ができていると思います。

語数も83語で、2級の目安である80〜100語に収まっています。


■ 直したところ 6か所

ここから直していきます。

【1】two reason → two reasons

two のように2以上の数を示す語がついたら、名詞は必ず複数形になります。

日本語は「理由が2つ」と言っても形が変わらないので、最も見落とされる箇所です。


【2】work with many people → work with others

「いろいろな人と働く」を表したいのだと思いますが、many people だと「人数が多い」という話になってしまいます。

この場面で言いたいのは「同級生以外の人」なので、others が自然です。


【3】when they will become → when they become

時を表す副詞節の中では、未来のことでも現在形を使います。

if の中で will を使わないのと同じ考え方です。「なるとき」という日本語につられて will を入れたくなりますが、ここは現在形にします。


【4】get money by themselves → earn money themselves

働いて得るお金は get より earn が適切です。get は「手に入れる」で、もらったお金も含んでしまいます。

また by themselves は「自分たちだけで」という意味で、ここでは themselves だけで「自分で」を表せます。


【5】It also teach → It also teaches

主語の It は三人称単数なので、動詞に s が必要です。

文が長くなると、主語が何だったかを見失って s が抜けることがあります。


【6】For these reason → For these reasons

these は複数を指す語なので、続く名詞も複数形になります。

【1】と同じ理由です。同じ種類の誤りが1つの答案に2回出ている、という点がこの答案の特徴です。


■ 観点ごとに見ると

英検の採点観点は、内容・構成・語彙・文法の4つです。それぞれについて、私の見立てを書きます。点数ではなく、どこに伸びしろがあるかという形でご覧ください。

【内容】
設問に正面から答えていて、理由も2つあり、それぞれに説明がついています。ここは安定していると思います。

もう一歩進めるなら、理由1に具体例が欲しいところです。「学校では同級生と先生にしか会わない」の先に、たとえば「年上の人と話す機会がある」といった一文があると、説得力が変わります。

【構成】
型は最後まで崩れていません。矛盾もありません。

気になるのは、つなぎ語が First / Second / For these reasons だけで、文と文をつなぐ語がほとんど使われていない点です。For example や However が1つ入るだけで、流れが見えやすくなります。

【語彙】
意味は問題なく伝わります。ただ learn / get / useful / buy といった基本語が中心で、話題に直結する語があまり出てきません。

たとえば「社会人になる」を members of society と書いていますが、これは悪くない表現です。こうした言い換えがもう2〜3か所あると、印象が変わると思います。

【文法】
今回いちばん伸びしろがあるのはここです。誤りが6か所のうち4か所を占めています。

ただ、中身を見ると深刻なものはありません。【1】と【6】は同じ「名詞の複数形」ですし、【3】【5】も規則を知っていれば防げるものです。

言い換えると、文構造そのものは正しく組めているということです。


■ 添削後の全文

I think students should have a part-time job. I have two reasons.

First, they can learn how to work with others. In school, students only meet their classmates and teachers. This experience will be useful when they become members of society.

Second, they can earn money themselves. If they want to buy something expensive, they do not need to ask their parents. It also teaches them the value of money.

For these reasons, I think students should have a part-time job.

主張も結論も変えていません。添削は、書き手の考えを英語として成立させる作業だと考えています。


■ この答案から学べること

いちばんお伝えしたいのは、6か所のうち2か所が同じ原因だったという点です。

一般論を述べる場面で、数えられる名詞を複数形にする。これを意識するだけで、この答案の誤りは3分の1減ります。

英作文の誤りは、ばらばらに見えて、実は数種類の原因に集約されることがよくあります。自分の答案を見返すときは、誤りの数を数えるより、同じ原因のものをまとめてみてください。直すべきことが、思ったより少ないと気づくはずです。


なお、英検の採点観点については別の記事で公式資料をもとに整理しています。あわせてご覧いただければ幸いです。


私は英検1級・TOEFL iBT 94・TOEIC 920 を取得しており、現在も個別指導塾で講師をしています(指導歴3年)。

英作文の添削も承っておりますので、もしよろしければプロフィールからご覧ください。

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