2級に受かって、次は準1級を、という方から「ライティングはどれくらい変わりますか」と聞かれることがあります。
調べてみると、形式そのものの違いは意外とはっきりしています。今回はそれを整理しました。
数字の部分は公式および旺文社の級別解説で確認したものです。「求められること」の解釈は私の考えなので、そう分かるように書きます。
■ 1. 形式はほぼ同じ
まず、2級と準1級で共通している点から。
・大問が2つ(英文要約と英作文)
・採点の観点は4つ(内容・構成・語彙・文法)
・各観点0〜4点
・それぞれ16点満点
2024年度から、2級と準1級には英文要約が加わりました。形式としては、この2つの級はかなり近い作りになっています。
ちなみに1級だけは各観点0〜8点の32点満点です。級が上がれば配点も上がる、というわけではありません。ここは誤解されやすいところだと思います。
■ 2. はっきり違うのは語数
形式が同じぶん、差が出るのは分量です。
【英作文】
・2級 80〜100語
・準1級 120〜150語
【英文要約】
・2級 150語程度の文章を45〜55語に
・準1級 200語程度の文章を60〜70語に
英作文で見ると、準1級は2級の1.5倍ほどになります。
この差は、単に「たくさん書く」ということではないと私は考えています。
■ 3. 語数の差が意味すること(ここからは私の考えです)
2級の80〜100語は、主張・理由2つ・まとめを並べると、ほぼ埋まります。理由1つあたりに使えるのは2〜3文です。
準1級の120〜150語になると、同じ構成でも理由1つあたり4〜5文が書けます。つまり、理由を述べて説明を添えて、さらにもう一段踏み込む余裕が生まれます。
逆に言うと、2級と同じ書き方のまま準1級を書くと、語数が足りません。そこで理由を3つに増やしてしまうと、1つあたりの説明が薄くなり、かえって内容の評価が伸びにくくなります。
準1級で増やすべきは理由の数ではなく、一つの理由の掘り下げだと思っています。
■ 4. 「語彙」の観点は差が出やすい
観点の名称も配点も同じですが、実際に差が出やすいのは語彙だと感じています。
公式の定義は「課題に相応しい語彙を正しく使えているか」です。準1級のトピックは社会的な内容が増えるため、2級までの基本語だけでは話題に届きにくくなります。
たとえば「重要だ」を very important とだけ書くか、essential や crucial を使えるか。「増えている」を is increasing とだけ書くか、文脈に応じて別の言い方を選べるか。
ここは一朝一夕では変わらないので、準1級を目指すなら早めに手をつけたい部分です。
■ 5.「内容」で求められることは変わらない
一方で、内容の観点で見られることは2級と準1級で変わりません。
公式が挙げている減点例は、どちらの級にも共通するものです。
・理由に説明や具体例がない
・意見と矛盾する理由を書いている
・関係のない内容が混ざっている
・設問の問いに答えていない
最後のものは、すべての観点で0点になりうる、と明記されています。級が上がっても、ここを外すと全体が崩れるという構造は同じです。
■ 6. まとめ
・形式はほぼ同じ(2問・4観点・16点満点)
・はっきり違うのは語数(英作文で1.5倍ほど)
・増やすべきは理由の数ではなく、掘り下げ(私の考え)
・語彙の観点は差が出やすい
・内容で求められることは変わらない
準1級のライティングは、2級とはまったく別物というより、「同じ型で、一段深く書く」ものだと思っています。
2級の型が身についている方であれば、土台はできています。あとは一つの理由をどこまで説明できるか。そこに時間を使うのが、いちばん近道ではないかと考えています。
採点観点そのものについては、別の記事で公式資料をもとに整理しています。あわせてご覧いただければ幸いです。
出典
・公益財団法人 日本英語検定協会「ライティングテスト(英作文)の採点に関する観点および注意点(1級・準1級・2級)」
・旺文社 英検過去問アプリ 級別解説(2級・準1級ライティング)
配点・語数は2026年9月時点で確認したものです。制度は変わることがありますので、受験前に必ず公式でご確認ください。
私は英検1級・TOEFL iBT 94・TOEIC 920 を取得しており、現在も個別指導塾で講師をしています(指導歴3年)。
英作文の添削も承っておりますので、もしよろしければプロフィールからご覧ください。