フランチャイズ加盟を検討すると、本部から収支シミュレーションを提示されることがあります。
例えば、
- 月商:800万円
- 営業利益:100万円 という数字を見た場合、
「毎月100万円も利益が出るなら大丈夫そう」と感じるかもしれません。
ただ、加盟する側が本当に確認したいのは、営業利益そのものではありません。
借入を返済し、生活に必要なお金を取り、その他の現金支出まで払った後に、実際いくら残るのか。ここまで確認することが重要です。
営業利益100万円でも、100万円が手元に残るわけではありません
例えば、本部資料上の営業利益が100万円だったとします。
しかし実際には、
- 借入返済:35万円
- オーナーが必要とする生活費等:30万円
- 修繕・設備更新などへの備え:10万円 が必要であれば、
最終的に増える現金は、
100万円 − 35万円 − 30万円 − 10万円 = 25万円 になります。
「営業利益100万円」と「毎月現金が25万円増える」では、事業の見え方はかなり変わります。
なぜ「利益」と「現金」が違うのか
代表的なのが、借入金の元本返済です。
借入金を返済すると現金は減りますが、元本部分は通常、損益計算書上の費用ではありません。
そのため、利益は出ているのに、現金があまり増えない
ということが起こります。
逆に、減価償却費のように、会計上は費用でもその月に現金が出ていかないものもあります。
そのため、FC加盟前には本部のPLを見るだけではなく、
購入者自身の条件を加えたキャッシュフロー まで確認する必要があります。
想定通り売れなかった場合」も確認したい
もう一つ重要なのが、売上下振れへの耐性です。
本部想定月商が800万円なら、
- 720万円(▲10%)
- 640万円(▲20%)
- 560万円(▲30%)
になった場合も確認しておきたいところです。
売上が下がっても、
- 家賃
- 社員給与
- システム利用料
- 固定ロイヤリティ
- リース料
- 借入返済
などは簡単には減りません。
そのため、売上が20%下がったから利益も20%下がるとは限りません。
場合によっては、売上が少し下振れしただけでキャッシュフローがマイナスになることもあります。
「何%下がったら厳しくなるか」を知る
私は、FC加盟前には、
本部想定売上と、キャッシュベースの損益分岐売上との差
を見ることが重要だと考えています。
例えば、
- 本部想定月商:800万円
- キャッシュ損益分岐売上:720万円 の場合、
おおよそ10%の売上下振れで現金収支が厳しくなることになります。
反対に、損益分岐売上が550万円なら、本部想定からある程度下振れても耐えられる余地があります。
同じ「営業利益100万円」の事業でも、この余裕幅は大きく異なります。
初期投資も、本部記載額だけでは足りない場合があります
例えば本部資料に、「開業資金2,000万円」
と書かれていたとしても、それだけで十分とは限りません。
確認したいのは、
- 加盟金
- 保証金
- 研修費
- 内装工事
- 厨房・設備
- POS
- 看板
- 物件取得費
- 敷金・礼金
- 採用費
- 開業前人件費
- 開業後の運転資金
などが、どこまで含まれているかです。
重要なのは、
「開業するのにいくら必要か」だけではなく、「開業後も現金が持つか」
です。
FC本部の数字が間違っている、という話ではありません
ここは誤解されやすいですが、本部資料を否定したいわけではありません。
本部が示すのは一般的に、
「一定条件の店舗では、このような収支になります」
というモデルです。
一方、加盟希望者が知りたいのは、
「自分の自己資金・借入条件で、この事業を続けられるか」です。
例えば同じ店舗でも、
自己資金2,000万円・借入500万円の人と、
自己資金500万円・借入2,000万円の人では、
資金繰りリスクは大きく変わります。
つまり、本部モデルが正しくても、そのまま自分の資金計画になるわけではありません。
加盟前に最低限確認したい数字
本部から収支資料を受け取ったら、少なくとも次の点は確認しておきたいところです。
1. 実際に必要な初期資金はいくらか
2. 毎月の借入返済はいくらか
3. 生活費等まで含めると毎月いくら現金が残るか
4. 売上が10%・20%・30%下がったらどうなるか
5. 何%売上が下がるとキャッシュフローが赤字になるか
ここまで見ると、本部へ追加で確認すべき質問もかなり具体的になります。
実際の本部資料を使って再計算するサービスを始めました
現在ココナラで、
「FC加盟前の収支・資金繰りを再計算します」
というサービスをβ版として出品しています。
本部から受け取った、
- 収支シミュレーション
- 初期投資資料
- FC募集資料
- 契約条件
- 物件資料
- 借入条件
などをもとに、
自己資金・借入返済・毎月必要な現金まで含めて再計算します。
主に確認するのは、
- 36か月の資金繰り
- 売上▲10〜30%のストレス
- キャッシュ損益分岐
- 資金ショート時期
- 本部資料の不一致・不足
- 本部へ確認したい質問
などです。
資料にない数字を業界平均などで勝手に補うことはせず、確認できないものは「未確認」として分けます。
本部の「儲かる計算」を見るだけではなく、
自分の自己資金・借入条件で、本当に現金が持つのか
を確認したい方は、出品サービスをご覧ください。
FC加盟前の収支・資金繰りを再計算します。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。