「新しい職場に移って半年になりますが、まだ自分の場所という感じがしません」
こうしたお話をうかがうことがあります。仕事は回っている。人ともそれなりに話せている。それでも、借りものの椅子に座っているような感じが抜けない。今日は、この「なじめない」という感覚を占星術ではどう見ているのか、こういう見方をします、という説明としてお話ししてみます。
■ なじむのに要る時間は、人によって違う
場所に慣れるまでの時間には、もともと個人差があると占星術では考えます。
生まれたときの空の配置には、その方が安心を感じる条件が映ります。初対面の輪にすっと入っていける方もいれば、同じ顔ぶれと何度か季節をまたいで、ようやく肩の力が抜ける方もいます。後者の方が前者と同じ速さでなじもうとして、うまくいかないのは自然です。遅いのではなく、要る時間が長い。そう読み替えるだけで、見え方が変わることがあります。
■ 居場所を映す、図の根っこ
次に見るのは、生まれた図のいちばん下にあたる場所です。
ここは、その方にとっての帰る場所、根を張る場所を映すとされています。ここに出ている性質は、どういう場所でなら安心して背中を預けられるか、という条件として表れます。静かで変化の少ない場所なのか、出入りの多いにぎやかな場所なのか。
なじめないというご相談で、実はこの条件と、いまいる場所がずれていた、という場合があります。人が合わないのではなく、場の温度が合っていない。そう読めることもあります。
■ 人に見せている顔
三つめに、その方が外へ向けて最初に出す顔を映す場所を見ます。
新しい環境では、たいてい誰もが少しよそゆきの顔で入っていきます。それ自体は悪いことではありません。ただ、図に出ている本来の出方と、そこで見せている顔が離れすぎていると、日が経つほど、その差のぶんだけ無理がかかります。
手がかりになるのは、気心の知れた相手の前でのご自身の振る舞いです。気を張らずにいるときの出方こそ、図に出ている性質に近いもの。それを少しずつ新しい場所へ持ち込めるかどうかが、なじむということなのだと思います。
■ 今の空が、まだ後押ししていないこともある
生まれた図の、居場所を映すあたりに、ゆっくり動く星がさしかかる時期があります。住む場所や所属が実際に動くこともあれば、外側は動かないまま、落ち着かなさだけが続くこともあります。
これは、なじめていないというより、まだ形が定まりきっていないと読むほうが近いように感じています。あの居心地の悪さは次の場所へ移る準備だった、と後から振り返る方もいらっしゃいます。
■ おわりに
占星術で見えるのは、その場所が正解かどうかではありません。落ち着くための条件と、いまの場所との差がどこにあるのか。それを言葉にするところまでです。
条件が言葉になると、打てる手も見えてきます。座る場所をひとつ変える、話しやすい人をひとりつくる。そうした小さな調整で収まることも、案外あります。
星の配置はあくまで傾向で、同じ空も、生まれたときの星の並びによって響き方が変わります。ご自身の図がどう出ているかが気になるときは、鑑定でお手伝いできます。