鑑定書のなかで、「太陽が乙女座の、六番目の部屋にあります」と書くことがあります。星座の名前は聞き慣れていても、そのうしろに続く「部屋」のほうは、なんのことだろうと思われるかもしれません。今日はこのハウスについて、お話ししてみます。
■ 星座は「どんなふうに」、ハウスは「どこで」
ホロスコープは、三つを組み合わせて読みます。星そのものと、星座と、ハウスです。
お芝居にたとえると掴みやすくなります。星は役者です。太陽なら意志、月なら感情というふうに、役どころを持っています。星座は演じ方にあたります。同じ台詞でも、牡羊座なら勢いよく、天秤座なら相手を見ながら口にする。そしてハウスは舞台です。その演技が、人生のどの場面で披露されるのか。
星座だけを見ていると、「どんなふうに」は分かっても、「どこで」が抜け落ちます。ハウスは、その一語を埋めるものだとお考えください。
■ 十二の部屋
ホロスコープの円は、十二の部屋に区切られています。一番目は自分自身、二番目は手にしているものや才能、三番目は学びと言葉、四番目は家庭や心の土台。五番目は表現と恋、六番目は日々の仕事と習慣、七番目は一対一の関係、と続いていきます。
星座が空を十二に分けたものなら、ハウスは人生を十二に分けたものです。どちらも十二ですが、数えている対象が違います。
■ 同じ星座でも、表れる場所が違う
たとえば、金星が牡牛座にある方が、お二人いらしたとします。金星は好みや心地よさを受けもつ星。牡牛座はそれを、ゆっくりと、五感で確かめるように扱います。ここまではお二人とも同じです。
けれど一方は、それが二番目の部屋にある。持ち物や身のまわりの質へ向かい、手ざわりのよいものを少しずつ選び取っていく。もう一方は、七番目の部屋にある。同じ心地よさが、特定の誰かとの関係のなかで働きます。長い時間をかけて、ひとりの人と穏やかな間合いを作っていく。
同じ「金星・牡牛座」でも、日々の現れ方はずいぶん違います。星座だけでは十二通りにしかなりませんが、ハウスが加わることで、その方だけの形に近づいていきます。
■ ハウスには、生まれた時刻が要ります
ひとつだけお断りがあります。ハウスは、生まれた時刻がわからないと出せません。
星座のほうは空の星の位置で決まりますから、一日ではあまり動きません。けれどハウスの区切りは、地球の自転で決まります。一日で十二の部屋がひとまわりしてしまうので、二時間もずれると、星の入る部屋が変わってしまうのです。
時刻がわからない場合、無理にハウスを語らないようにしています。星と星座、星同士の角度から読める範囲でお届けしています。
■ おわりに
星座が「その人らしさ」だとすれば、ハウスは「その人らしさが、どこで顔を出すか」です。同じ性質でも、仕事の場で出るのか、家のなかで出るのか、それだけで見える景色は変わります。
もっとも、これも傾向を映した地図にすぎません。舞台が決まっていても、そこでの演じ方まで決まるわけではないのですから。
生まれた時刻がわかる方には、このハウスも合わせてお読みしています。ご希望の方は、出品ページからお声がけください。