「大事なことほど、いつまでも決められません」
ご相談のなかで、こういうお話をうかがいます。調べるだけ調べた。人の意見も聞いた。それでも最後のひと押しが出てこない。今日は、この「選べない」というお悩みを、占星術ではどう見ているのかをお話ししてみます。特定の誰かを鑑定する話ではなく、「こういうところを見ています」という説明として読んでいただければと思います。
■ 決め方には、その人なりの型がある
はじめに確かめるのは、その方がどうやって答えを出してきた方なのか、という点です。
生まれたときの空には、ものを考えて言葉にする働きを受け持つ星があります。この星がどの星座にいるかで、判断の進め方の癖が変わってきます。筋道を一本ずつたどって、納得できてから動きたい方。全体の空気をつかんだところで先に結論を置き、理屈はあとから合わせていく方。どちらが優れているということはありません。ただ、自分に合わないやり方を課しているときに、決められないという詰まり方が起こりやすくなります。
たとえば、これまで感覚で選んできた方が、「きちんと比べて選ばなければ」と表を作りはじめると、その表はいつまでも埋まりません。逆に、順を追って確かめたい方が、周りの勢いに合わせて即答を求められると、決めたあとになって落ち着かなくなります。
■ 「決められない」と「決めたくない」は違う
次に見るのは、気持ちの側です。
心の動きを受け持つ星は、その方が何に守られていると感じるかを映します。ここが求めているものと、頭で立てた計画とが違う方角を向いているとき、決断はなかなか進みません。ご本人は決められないと感じておられますが、図の上では、決めたくないものがはっきりしている、という形に見えることがあります。
鑑定でこの食い違いに触れたとき、私はどちらが正しいかを判定しません。ふたつの言い分を並べて、今回はどちらの声を通すのかを、ご一緒に確かめていきます。
■ 選べなさが強く出る季節
三つめに、時期を見ます。
いまの空をゆっくり巡っている星が、生まれた図の敏感な場所にさしかかっているあいだは、ふだんなら流せるはずの選択が、やけに重く感じられることがあります。とりわけ、ものごとに形を与え、境目を引く働きの星が触れている時期は、ひとつ選ぶことが何かを手放すことと直結して見えやすくなります。
また、星が来た道を戻るように進む時期には、決まりかけた話が振り出しに戻ることがあります。この季節は、無理に結論を出すより、いったん預けておくほうが収まりのよいこともあります。ただ、これも傾向のひとつであって、決まった筋書きではありません。
■ おわりに
占星術は、どちらを選ぶべきかを言い当てるものではないと、私は考えています。できるのは、その方がどういう決め方の持ち主で、いまどのあたりの季節にいるのかを、いっしょに見取り図にすることです。
自分の決め方の癖がわかると、迷っている自分を責める理由がひとつ減ります。そのぶんの余裕が、答えのほうを連れてきてくれることもあるように思います。
生まれた時の空をもとにした個人鑑定では、このあたりをご一緒に読み解いています。