― もし農作業中にケガをしたら? ―
トラクターでの作業中に転倒した。
脚立から落ちてケガをした。
牛の世話をしていて、柵との間に挟まれた。
草刈り作業中にケガをした。
暑い日の農作業で熱中症になった。
農作業には、思いがけない事故やケガの危険があります。
「気をつけていたんだけど……」
どんなに経験を積んだ農家さんでも、事故を完全に防ぐことはできません。
では、もし農作業中にケガをしたら――
農家さんも、労災保険を使えるのでしょうか?
会社で働いている人なら「仕事中のケガ=労災」というイメージがありますよね。
では、自分で農業を営んでいる農家さんはどうでしょう。
実は、農家さんにも労災保険に加入できる仕組みがあります。
このシリーズでは、農家さんと労災保険について、ひとつずつお話ししていきます。
まずは、農作業でどんな事故やケガが起きているのか見てみましょう。
農家さんも労災保険に入れるの?
労災保険は、仕事中や通勤途中のケガなどに備えるための制度です。
会社に雇われて働く人は、原則として労災保険の対象になります。
では、自分で農業を営んでいる農家さんはどうでしょう。
農家さんは、会社に雇われている労働者とは立場が違うため、そのままでは労災保険の対象にならない場合があります。
そこで設けられているのが、
「特別加入制度」
です。
一定の条件を満たす農家さんは、この制度を利用して労災保険に加入することができます。
「じゃあ、農家なら誰でも入れるの?」
「どんな農作業でも対象になるの?」
ここが、農業労災を知るうえで大切なポイントです。
まずは、
「農家さんにも、労災保険に加入できる仕組みがある」
ということを知っておいてください。
では、この「特別加入」とはいったいどんな制度なのでしょうか?
次回は、農家さんの労災保険を知るうえで欠かせない
「特別加入制度」について、わかりやすく見ていきます。
この記事を書いた人
Sato_coco
元JA職員。農業労災保険事務組合の業務に従事。
農家さんの労災加入手続きや、事故発生時の対応などに携わってきました。
現在の制度を確認しながら、農業労災をわかりやすくお伝えしています。
参考資料・出典
・厚生労働省「農業者のための特別加入制度について」(令和7年1月)
・農林水産省「農業者のための労災保険の特別加入制度」
・農林水産省「令和6年の農作業死亡事故について」(令和8年2月26日公表)
※制度・資料は2026年10月5日確認